【岩本輝雄】最下位の横浜FCが貴重な勝点1。2位マリノスと互角の勝負を演じられたワケ

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2021年09月26日

マリノス戦のような戦いを今後も続けられれば…

後方で巧みなラインコントロールを見せた高橋。味方への的確なコーチングなど、その存在感は際立っていた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 見応えのあるゲームだったね。横浜FCとマリノスの“ヨコハマ・ダービー”は2-2のドロー決着。印象としては、上位チームを相手に逆転されても粘り強く追いついてみせた横浜FCの戦いぶりはポジティブに映った。

 横浜FCは最終ラインを高くして、相手にスペースを与えないようにコンパクトさを保つ。マリノスのキーマン、マルコスにボールが入れば、すかさずチェックに行って自由にさせない。

 とにかく相手選手に対して、どんどんアプローチしていく強度の高いプレーを、チーム全体でできていた。体力的にはかなり厳しかったはずだけど、一人ひとりが手を抜かずに自分のタスクを全うして、ファイトし続ける。

 なかでも3バックのセンターに入っていた高橋秀人の存在感は際立っていたよね。ライン設定は強気だけど無謀ではなく、状況に応じて巧みにコントロールする。味方にも積極的かつ的確な指示を出す。クレバーな振る舞いがチームを支えていた。

 2得点のサウロ・ミネイロも素晴らしかった。強くて速くて、決定力もある。65分には後方からのロングボールに右サイドで抜け出して、マークにつく岩田をぶっちぎって、豪快なシュート。惜しくも逆サイドのポストに弾かれたけど、迫力あるプレーだった。

 そのサウロ・ミネイロのゴールで前半に先制して、後半にマルコス、前田に決められて試合をひっくり返されるけど、終盤に再び、サウロ・ミネイロの得点で同点に。残留争いで苦しむなか、価値ある勝点1を掴み取った。
 
 依然として最下位に沈んでいるけど、マリノス戦のような戦いを今後も続けられれば、十分に可能性はあるのではないだろうか。残り8試合、意地を見せてほしい。

 一方、首位フロンターレを追走する2位のマリノスにとっては手痛い引き分けになった。前半は苦戦。でも、後半に入って盛り返して同点に追いつき、その後、渡辺皓太の退場でひとり少なくなっても、数的不利を感じさせずに前田のゴールで逆転してみせたのは、さすがだなと思った。

 でも、そこで勝ち切ることができなかった。自分たちに何か問題があったわけではなく、この日は横浜FCの出来を褒めるべきだと思うけど、前節のグランパス戦も落としているし、優勝争いで少し足踏みしてしまった。

 横浜FCと同様、終盤戦でどれだけ奮起できるか。最後までリーグを盛り上げてほしいね。

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