【川崎】三笘薫に移籍前にかけられた言葉。楽しみな遠野大弥のさらなる成長

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2021年08月30日

札幌戦では貴重な追加点

今季から正式に川崎でプレーする遠野。ここまでリーグ戦では21試合で6ゴールを決めている。(C)SOCCER DIGEST

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 8月25日に敵地・ベススタで行なわれた26節の福岡戦で今季初黒星(●0-1)を喫した川崎は、中2日でアウェーの27節・札幌戦へ臨んだ。

 連敗となれば、2位の横浜に首位の座を奪われる可能性もあったなか、苦しみながら2-0で勝利。その立役者は抜群の決定力を示し、1ゴール・1アシストの活躍を見せたFW小林悠である。

 ただし、34分の小林の先制点から5分後、その先輩の右からクロスを押し込んでチームに貴重な追加点をもたらしたのは右ウイングとして先発したアタッカーの遠野大弥である。

 J1初挑戦の今季、俊敏な動きや推進力のあるドリブル、果敢な仕掛けなどを生かし、リーグ戦では21試合に出場して6ゴール。4-3-3のシステムで、ウイングだけでなく、インサイドハーフもこなす器用さを見せ、最近ではCKのキッカーを任される場面も増えている。

 それでも本人は「チャンスを決め切る選手になりたい」とここまでの成績には満足できていない様子だ。現に1-1で引き分けた25節の広島戦や、今回の札幌戦などでは決定機をモノにできないシーンもあっただけに、課題も感じているのだろう。
 
 遠野といえば、珍しい経歴の持ち主であることも知られている。藤枝明誠高卒業後、2017年にJFLのHonda FCに入団。3シーズンプレーすると、天皇杯での活躍も認められ、川崎からオファーが舞い込む。そして2020年に川崎へ移籍し、同シーズンは当時J2に所属していた福岡へレンタル。そこでJ1昇格に大きく貢献し、今季、チャンピオンチームの川崎の一員として新たな挑戦をスタートさせた。

 そんな22歳のアタッカーを、他のチームメイトと同様に気にかけていたのが、先日、イングランド1部のブライトンへ完全移籍したふたつ年上の三笘薫である(1年目はベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへレンタル)。

 三笘は新シーズンの開幕前「ロッカーが隣の大弥とは仲が良いんです。同じ前線の選手として彼から学ぶことも多いですし、一緒にプレーできれば良さを引き出せると思いますよ」と遠野とのプレーを楽しみにしていたのが印象深い。

 同じピッチに立てた時間はそれほど長くはなかったが、三笘は欧州移籍前に遠野へエールも送っていたという。遠野がこう明かしてくれた。

「カオル君には一言、『頼むぞ』と言ってもらえたんです。その言葉でなんだか改めてスイッチが入りました。一層頑張らなくちゃいけないなと」

 さらに今夏にドイツ2部のデュッセルドルフへレンタル移籍し、すでにデビューを果たした田中碧の姿にも刺激を受けているという。

 そんな熱い想いを胸に遠野はさらなる成長を期す。トップリーグでの経験値がそこまで多くないということは、まだまだ大きな可能性を秘めているということ。

 現にJ1初挑戦で、周囲から評価されるパフォーマンスを見せており、高いポテンシャルを感じる。川崎という厳しい環境で自らを磨き続け、どこまで進化できるのか。三笘や田中が抜けたチームで、その存在は大いに楽しみである。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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