痛恨の敗戦、その涙がきっと、久保建英を強くする【東京五輪|3位決定戦メキシコ戦】

カテゴリ:国際大会

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2021年08月08日

0-3からの反撃も及ばず…

試合後に思わず号泣。それだけ久保は東京五輪にかけていたということだろう。写真:Getty Images

画像を見る

 スペインとの激闘から中2日で臨んだ3位決定戦は、メキシコに1-3と完敗。立ち上がりから動きが鈍かった日本は、押し込まれる展開のまま13分にコルドバのPKで先制されると、続く22分にはそのコルドバのFKに合わせたバスケスのヘッドで追加点を奪われた。

 そこからはメキシコの手のひらの上で踊らされるように、日本はボールを保持しながらも最終局面で相手に進路を阻止され、ほとんどチャンスを作れない状態で前半を終えた。左サイドハーフの相馬に代えて後半の頭から旗手が投入されるも試合の流れは変わらず、58分、CKからベガにヘッドで沈められた一撃で絶望的な点差に……。0-3で迎えた78分、途中出場の三笘が一矢を報いたが、反撃もそこまでで結局、メダルに手が届かなかった。

 3失点に絡んだ遠藤が「(PKを取られた)あそこでファウルしないように心掛けていましたが、最後に足がかかってしまうのが今の実力」と反省すれば、同じボランチの田中は「彼らはサッカーをしていますが、僕らは1対1をし続けている」と“世界との差”を独自の見解で捉えていた。そして吉田は今回の敗戦を「自分の力不足」と猛省しつつ、「立ち止まっている時間はない」とコメントした。

「完敗です。それでもサッカー人生は続くし、9月からワールドカップの最終予選も始まります。所属クラブでポジション奪ってA代表で会えるのを楽しみにしています」(吉田)
 
 試合終了後、その場に泣き崩れた久保も、吉田の言葉に応えるかのように強い決意を述べた。

「さっさとポジションを掴んで試合に出て、ワールドカップが始まる頃には代表で圧倒的な存在になっていないと遅いです。まずは(9月から始まる)最終予選に1試合でも多く出て、活躍して、ワールドカップで頑張りたい」

 この敗戦、その涙がきっと、久保をより強くする。

構成●サッカーダイジェスト編集部

【五輪代表PHOTO】U-24日本1-3U-24メキシコ|三笘が反撃の1点を返すも追加点が遠くメキシコに敗戦 53年ぶりのメダル獲得とはならず...
【関連記事】
【セルジオ越後】久保くんの涙に感動とか言ってる場合じゃない! プロにドンマイ、ドンマイなんて必要ないよ
「どうあがいても、長谷部誠にはなれない」。それでも吉田麻也は素晴らしいキャプテンになった【東京五輪】
メキシコの手のひらで踊らされ…。泣き崩れた久保に象徴されるバッドエンド【東京五輪/編集長コラム】
まさかの0-3に呆然と立ちすくんだ日本。ただ一人、戦う姿勢を見せた男がいた【東京五輪】
「残酷な結末」ブラジルに決勝で敗れたスペイン代表、現地紙はため息「運を使い果たした」【東京五輪】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ