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【ポジション別検証|サイドバック編】室屋、菅原らが台頭の右SBとは対照的に、左の長友の後継者は?

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2021年06月05日

左サイドバックは長友以上の人材が見当たらず

日本代表とU-24日本代表のサイドバックを担う選手たち。写真は左上から時計回りに、室屋、酒井、山根、小川、長友、旗手。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 ジャマイカのPCR検査陰性証明の不備に端を発し、急きょ組まれた3日の日本代表対U-24日本代表の”兄弟対決”。ご存じの通り、A代表が橋本拳人(ロストフ)、鎌田大地(フランクフルト)、浅野拓磨(無所属)の3発で3-0と圧勝。実績、経験、チーム完成度というあらゆる面で違いを見せた。

「この試合で一発逆転を狙ってる選手が確実にいるし、この1試合で序列が変わってしまう可能性は大いにある。自分のレギュラー争いの勝負には絶対に勝ちたい。そこは自分自身、強く思って頑張りたいと思います」
 
 試合前日、こう力を込めたのが、フィールドプレーヤー最年長の長友佑都(マルセイユ)だった。彼の担う左サイドバック(SB)長友に関しては長年、後継者問題が叫ばれてきた。コロナ禍に突入した2020年以降も中山雄太(ズウォレ)や森保一監督体制発足時からのメンバーである佐々木翔(広島)、レフティの小川諒也(FC東京)らが試されてきた。U-24を見ても、万能型の旗手怜央(川崎)やセンターバック(CB)もこなせる古賀太陽(柏)らが起用されたが、長友を超えられそうな存在はなかなか見当たらない。今回の”兄弟対決”で少しでも可能性のある人材に出現してほしいところだった。

 しかしながら、Uー24の旗手はタテ関係に位置する遠藤渓太(ウニオン・ベルリン)に対面の室屋のマークを任せ、自身は最終ラインのサポートに入っていた状態でCKを献上。これが橋本の先制弾につながってしまう。電光石火の一撃のダメージが大きかったのか、その後もバタバタした時間帯が続き、本職でないポジションでの守備の不安定さが垣間見えた。彼のよさである攻撃力が前面に出る場面も少なく、アピール成功とはいかなかった。彼に代わって78分からピッチに立った古賀も見せ場は少なく、まだまだ全体に迫力不足という印象が拭えなかった。

 A代表側も後半から出場した小川はピッチに立って間もなく浅野の3点目をアシスト。左利きの優位性とクロスの精度の高さを見せつけた。この部分は長友にもない特徴で、本人も自信を深めたことだろう。ただ、守備に関しては対面の相馬勇紀(名古屋)や菅原由勢(AZ)に攻め込まれるシーンが散見され、国際舞台でも攻守に通用するという確信を抱かせるには至らなかった。

 今後、最終予選、2020年カタールワールドカップ(W杯)での戦いを視野に入れると、やはり強豪相手に1対1の守備で勝てる人材でなければ安心して使えない。さらに、攻撃を活性化させるダイナミックさも備えていなければならない。となれば、どうしても長友を外すわけにはいかなくなる。

「僕を超えていくには所属クラブで圧倒的な結果を残さなきゃいけない。日本代表は若手を育てる場所ではないんで」という彼自身の言葉は重い。インテル、ガラタサライ、マルセイユで10年以上、世界と渡り合ってきた長友という指標をつねに念頭に置き、後継者候補者たちは自己研鑽を図っていくこと。それしか根深い問題解決の術はないだろう。
 
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