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連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】白熱のJ2首位攻防戦。磐田が千葉から手にした「勝点3以上」の1勝

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年04月27日

GKカミンスキーが多くのピンチを止め、点取り屋のジェイが少ない好機を確実に決める。

「ワールドクラス」と名波監督も賞賛した一発を決めたジェイ。決定力の高さを見せた。写真:徳原隆元

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 千葉が押し込み、磐田が凌ぐ時間が長く続いたJ2・9節での首位攻防戦は、2-0でアウェーチームに凱歌が上がった。その内容を端的にまとめれば、「守護神が多くのピンチを止め続け、点取り屋が少ない好機を確実に決めた」となる。
 
 守護神とはポーランド人GKカミンスキー、点取り屋とはイングランド人ジェイのこと。ちなみにロスタイムには72分に投入された松井が、仕事人らしくカウンターから鮮やかなボレーを突き刺した。
 
 この磐田の勝利は、サッカーがゴールの数で勝敗が決まるゲームであることを改めて教えてくれる。ピンチが多くても守るべき人が守り、チャンスが少なくても決めるべき人が決めれば勝つことができるのだ。磐田には、その大事なところに頼もしい助っ人がいた。
 
 再三、決定的な場面に絡みながら無得点に終わった千葉のペチュニクとは違い、磐田のジェイは2本のシュートで1点を決めた。それはストライカーらしく非常に落ち着いたフィニッシュだった。
 
 21分、松浦から送られたクサビのパスが、千葉のCB大岩の伸ばした足に当たってジェイの足下に落ちる。慌てた大岩は足を出したが届かず、ジェイは反転。そのまま右足を振り抜き、右隅を撃ち抜いた。
 
 この場面、届かないボールに安易に飛び込み、あっさり前を向かせてしまった大岩のミスという見方もできる。だが、それを差し引いても、良いフィニッシュだった。
 190センチ、89キロのジェイはリーチが長く、厚みもある。懐が深く、一度ボールを収められると、手も足も出ない。あのワシントンを彷彿させるゴールだった。
 
「松浦とアイコンタクトを交わして、ファーストタッチでターンしようと思った。いい形で決められたね」
 
 今季4点目をこのように振り返ったジェイは、勝負を分けるポジションでプレーすることについて、次のように語った。
 
「今日の僕はCBふたりと(ボランチの)パウリーニョの3人に囲まれた、難しい状況でプレーした。ボールはあまり来なかったよね。そんななかで、集中力を保ち続けるのは難しい。だから僕は無理に集中しようとは思わず、チャンスが来た時に最大限集中しようと考えている。シュート2本で1本決めたんだから、それができたと思うよ」
 
 ここぞという瞬間に、すべてを賭ける。ここぞでなければ、ほどほどに。これが点取り屋稼業の処世術なのだろう。

 せっかくなので憧れのストライカーについて尋ねると、「子どもの頃はブラジルのロナウドに夢中だったよ。いまはジエゴ・コスタがお気に入りだよ」という答えが返ってきた。
 
 ブラジル生まれの名手を見て、自然と効率の良さを身につけたのかもしれない。

ビッグセーブを連発したカミンスキー。勝利の立役者となった。写真:徳原隆元

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