【三浦泰年の情熱地泰】これからはサッカー「CQ」が問われる時代に!?

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年03月16日

Jリーグで活躍できる選手と活躍できない選手を分けるのも「CQ」がカギ?

ブラジルを皮切りにイタリア、クロアチア、豪州でのプレー経験もあるカズ。紛れもなく日本のサッカー文化構築に貢献している一人と言えるだろう。(C) SOCCER DIGEST

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 CQという言葉を初めて聞いた。

 CQとはCultural Quotient カルチュラルクォーシェント の略。世界的には、文化的知性ともいい、様々なバックグラウンドの人と効果的に協働、共創する力と言われ、ビジネス界でも注目され始めている。IQ (intelligence quotient/インテリジェンス クォーシェント)やEQ(Emotional Quotient/エモーショナル クォーシェント)はよく耳にするが、CQはまだ聞き慣れない。CQのCとはカルチャー(文化)のことを指す。

 僕らがよく使うカルチャーという単語。
「文化=カルチャー」
 今回は文化について触れてみたい。

「日本はスポーツ文化が根付いていない」
海外のスポーツ事情をよく知る人はそう言う。

 僕らで言うと「サッカー文化」を語るのと同じだ。

 1986年にブラジル留学を経験した時、文化の違いと一言で済ませる頭はなかったが、ブラジルの文化を経験した。

 最近、友人とこの文化について話す機会が増えているような気がしている中で、「CQ」という言葉に出会ったのである。

 この単語Cultural Quotient =文化指数(文化的知性)とは何を指すのか?

 intelligence quotient=知能指数であれば、「IQ」という単語でもすでに一般的になりつつあるように、その意味を漠然とではあっても分かっているつもりだ。

 何の世界であってもIQが高い人は尊敬されるであろう。

 では、このCQが指し示す指数とは、いろんな国や人種の文化への対応力のことを言うのか? 文化を知っている人のことを言うのか? いや経験した人のことを言うのか?

 例えば、玄関で靴を脱ぐという習慣と脱がないという習慣は、文化の違いだ。その違いに文化の優劣というものはないだろう。

 また、トイレでトイレットペーパーを流す日本と、滅多に流さないブラジルの習慣の違いは、やはり文化の違いなのであろうか? それは水圧、トイレをつなぐ水管の整備の差であり、その国の文化が引き起こしたインフラの問題であれば、これも文化と言っていいのであろう。

 その文化、習慣からくる違いを知らなければ、土足で家に上がって来ても、トイレットペーパーを流してトイレを詰まらせたとしてもこれはある意味、仕方がないことであり、CQが足りなかったというふうに捉えることができるのだろう。

 翻ってサッカーで考えてみると、Jリーグで活躍できる外国人選手と活躍できない外国人選手がいるが、両者を分けるのは文化への対応力、つまりCQをどれだけ持っているかは大事な要素になるのは間違いない。

 今まではこれをサッカーIQという言葉、日本のサッカーにも臨機応変に順応できるインテリジェンスとして評価していたが、これから求められるのはカルチュラルクォーシェントの高さ、日本の文化をリスペクト、日本のサッカーを尊重できたか、が問われる時代になるのかもしれない。

 そして、CQとはプレーヤー個人が持つ能力においてだけ大事なのではなく、その能力を見極める、評価する側のCQも必要とされているのだと思う。

 引退した内田篤人も神戸で常に全力でプレーしている酒井高徳も伝えようとしている「世界との差」。同じスポーツではない、違うスポーツと捉える訳は、彼らが経験したヨーロッパのサッカー文化、CQが高い(ある)からこそ感じてしまうのである。

 インテリジェンスがあり、カルチャーを知り、そして最後に求められるのはEQ。Emotional Quotient=こころの知能指数がある。スポーツにおいても、心の豊かさ、強さ、優しさ、厳しさ、暖かさ、といった心の部分が占める割合は決して小さくない。

 そして、全てのスポーツにおいて、IQ、EQ、CQという3つの能力指数がこれからもっと大事になって来るのであろう。

 だからこそ海外でのプレーを経験した選手は文化からサッカーを学び、心を鍛えてサッカーに貢献、還元する。

 カズがブラジルで切り開いた、日本人選手も南米のサッカーで通用するという評価。セルジオ越後さんはサンパウロNo.1のビッグクラブ、コリンチャンスで技を磨き、体得したブラジルサッカー文化を日本へ普及していった。僕らがまだ小学生の頃だった。

 そして僕も高校を卒業して、大学の推薦を断り、単身ブラジル留学を選び、文化の違い、日本サッカーとの差を痛感した。

 ラモス瑠偉が帰化して日本代表の為に戦った。それ以前にはジョージ与那城も同じように帰化をして日本代表で日の丸をつけて戦った。僕はジョージ与那城監督の選手であり、ラモス瑠偉の同士、鉄砲玉(ラモスさんのために戦う)のような選手であった。

 最近では、内田篤人がチャンピオンズ・リーグ常連クラブでのプレーを経験し、岡崎慎司、南野拓実は現在もヨーロッパの主要リーグでプレーを続け、本田圭佑、香川真司も苦しみながらヨーロッパでプレーを続けている。

 日本のサッカー文化構築のために数えきれない人間が現在進行形で勝負しているのだ。
 

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