王者が苦しんでいる。現地時間２月13日に行なわれたプレミアリーグ第24節で、敵地に乗り込んで３位レスターと対戦した４位のリバプールは１-３で敗戦。ユルゲン・クロップ監督政権下で初の３連敗となった。

　来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場権獲得圏内の４位入りを目指すリバプールは、序盤からアグレッシブに仕掛けると、66分にエースのモハメド・サラーのゴールで均衡を破ったが、78分に相手MFジェームズ・マディソンのFKがVAR判定の末に得点と認められて同点にされると、その３分後には守護神アリソンが“やらかしてしまう”。

　敵陣からのロングボールを処理しようとエリア外に飛び出したブラジル代表GKは、味方CBオザン・カバクと接触。そしてルーズボールを相手ストライカーのジェイミー・ヴァーディーに拾われて逆転弾を献上した。

　前節のマンチェスター・シティ戦でもビルドアップの際に立て続けにパスミスを犯し、２失点に関与してしまったアリソン。この絶対的守護神の拙守がリバプールにもたらした精神的影響は、85分に速攻からあっけなく３点目を奪われたことからも想像に難くない。

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　２試合連続で致命的な失点に絡んでしまったアリソンのパフォーマンスには、厳しい声が飛んでいる。英衛星放送『Sky Sports』は、「リバプールのタイトル防衛の可能性はほぼ消えた」と皮肉った。

「シティ戦でのミスが記憶に新しいアリソンは、この試合が移籍後してからのデビュー戦となったカバクに突進。その失策を見事にヴァーディーに活かされてしまった。リバプールのナンバー１守護神に一体何があったというのだろう。彼は明らかに精彩を欠き、今回のような内部崩壊を引き起こしてしまった」

　精神的支柱でもあった守護神の２試合連続のミスは文字通り痛恨でしかない。だが、試合後のフラッシュインタビューでクロップ監督は、「アリ（アリソンの愛称）は自信を持っていた」と前向きな言葉を残した。

「正直言って、あの時に彼らが声を掛け合うような叫びは聞こえなかった。彼自身もオザン（・カバク）が対応するのか、しないのか、その辺が掴みきれていなかったんだろうね。でも、試合全体を通して見れば、アリはスーパーな試合をしてくれたし、誰もが驚くスーパーセーブも見せてくれた。たぶん大丈夫だと思う」

　リバプールの復調には、最後の砦となるアリソンの存在が必要不可欠なだけに、パフォーマンスの改善が求められそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部