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年間5ゴールでも代えられなかったベンゼマ。「センターフォワード」に必要な“資質”と変化する“役割”【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2021年01月22日

C・ロナウド移籍後は2シーズン連続で20得点以上を記録

C・ロナウド(7番)のために利他的なプレーを続けたベンゼマ(奥)。(C) Getty Images

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 センターフォワードというポジションの在り方は、時代の流れの中で変化している。

 かつては、ゴールが求められた。ゴールが取れないセンターフォワードに価値はない。ゴールだけが存在意義だった。

 しかしサッカーが組織化され、戦術が進むことで、役割は分担制になっている。センターフォワードだけがゴールを狙うようなチームは、動きを読まれやすい。また、一人の選手の力量、調子次第になる。

 そこで、サイドに逆足(利き足と違うサイドでプレー)の選手を配置することがスタンダードになった。切り込むことで得点力を補う、もしくは主武器とする。リオネル・メッシ(バルセロナ)やクリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)はそのポジションから出でて、それぞれポジションを真ん中に変えながらも、代表やリーグなど最多得点を更新し続けている。

 一方で、センターフォワードは前線の橋頭保としての役割が求められることになった。くさびを打ち込む、前に拠点を作る、攻撃の足掛かり、などどのような言葉でも当てはまるだろうか。端的にはポストワークだが、それだけでなく、空中戦を挑み、サイドに流れ、相手センターバックの足を使い、消耗させ、守備陣を撓ませ、じわじわとゴールの確率を高める仕事だ。

 レアル・マドリーでは、カリム・ベンゼマがせっせとロナウドのゴールのお膳立てに動いたことで、シーズンを通して国内リーグ5得点ということもあった。批判も受けたが、ベンチに下げられてはいない。ロナウドの26得点を引き出し、攻撃のバランスの上で欠かせない存在だったからだ。

 もっとも、単純にパワー、スピードがあって、コンタクトプレーで負けず、一人で反転し、シュートまで持ち込めることは、センターフォワードの大きな価値である。実際、ベンゼマはロナウドが移籍した後、2シーズン連続で20得点以上を記録。自ら決められる力を持ちながら、黒子に徹していたのだ。

 つまり、センターフォワードに必要な資質は変わっていない。
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