長らく注目を集めてきたメスト・エジルの去就にようやくケリが着くかもしれない。

　2013年の夏にレアル・マドリーから入団して以来、長らくアーセナルの絶対的司令塔に君臨したエジルだが、低調なパフォーマンスが続き、徐々に存在感が低下。今シーズンはプレミアリーグとヨーロッパリーグの登録メンバーから外され、プレーができない日々を送っている。

　事実上の“追放”を受けたナンバー10は、新天地を模索していると言われている。その中でも最右翼と見られているのが、自身のルーツでもあるトルコの名門フェネルバフチェだ。エロル・ブルト監督も「状況はいずれクリアになるだろう」と交渉を認めている。

　その障壁とされているのが、給与面だ。ドイツ紙『Bild』は、エジルがアーセナルから800万ユーロ（約10億円）の年俸を受け取っていることに触れ、「元ドイツ代表MFは諦めるつもりはない」と移籍情報に精通しているドイツ人記者のクリスティアン・ファルク氏のコメントを伝えた。

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「エジルは間違いなくフェネルバフチェ入りするだろう。だが、彼は給与面の譲歩をするつもりはない。もしも、アーセナルとフェネルバフチェのどちらがいくら払うかで合意できなければ、彼は契約が満了となる夏までロンドンに残るだろう」

　一方で、トルコ・メディアはエジルがフェネルバフチェ入りのために態度を軟化させたとも伝えている。地元テレビ局『TRTSpor』は、「エジルはアーセナル退団のために800万ユーロを妥協した。両者は近日中にもう一度、会談する」とすっぱ抜き、フェネルバフチェのスポーツディレクターを務める“トルコの英雄”エムレ・ベロゾールのコメントを紹介した。

「彼は間違いなく偉大なスターだ。そんな選手がフェネルバフチェに来る可能性があることを非常に嬉しく思う。我々は彼と彼の代理人にあった。そのプロセスはかなりゆっくりだが、着実にステップを踏んでいる。加入する可能性は、今まで以上に近づいている」

　果たして、エジルはかつて「夢」とも語っていたトルコでのプレーを、今冬の移籍市場で叶えるのか。その動向から目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部