久保建英はヘタフェの“特殊”なサッカーにマッチするのか?スペイン人戦術アナリストの見解はーー【現地発】

カテゴリ:海外日本人

アドリアン・ブランコ

2021年01月11日

ボルダラス監督は一瞬のサボリも許さない

武闘派が揃うヘタフェで、久保は違いを作れるか。(C) Getty Images

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 ヘタフェに加入したタケ・クボ(久保建英)は、チーム随一のテクニシャンになるだろう。なぜならホセ・ボルダラス監督率いるチームは、テクニックに乏しい選手たちがハードワークを前面に押し出して結果を残してきた無印軍団だからだ。

 チームの最大の武器は前線からのハイプレス。高い位置でボールを奪い、手数をかけずに相手ゴールに迫ることでテクニックの不足を補う。もちろんそうやって自軍でプレーする時間を少なくすれば、失点の減少にも繋がる。そのため全選手が高い守備意識を持ってプレーし、実際、ボルダラス監督は一瞬のサボリも許さない。

 この対戦相手やホーム、アウェーを問わず、ハイプレスからのショートカウンター、さらにセカンドボールを拾っての二次、三次攻撃でポゼッションで大きく下回りながらも試合を支配するという独特の戦い方を掲げて、ヘタフェは1部に復帰した17―18シーズン以来、快進撃を続けてきた。

【動画】「ようこそタケ」ヘタフェが公開した久保建英のウェルカムムービー
 しかし、昨シーズンのコロナによる中断明けから、その勢いが失われている。原因はまさにその最大の武器であるプレスの精度と威力の低下にある。危機感を覚えたボルダラス監督は、昨夏、その不足分をクオリティで埋めるべく、レアル・マドリーのブラヒム・ディアスの獲得をフロントに進言した。しかしブラヒムは最終的にミランを選択し、その課題は放置されたままだった。

 そしてこの冬に着目したのが、同じく小兵テクニシャンのタケだった。もっとも得意とするポジションは右サイドハーフ。ビジャレアルではジェラール・モレーノが立ちはだかり、それが思うように出場機会を得られない原因にもなっていた。しかしヘタフェでは昨夏、ジェイソンがレンタル期間満了でバレンシアに復帰して以来、不動のレギュラーが不在で、それはボルダラス監督が、サイドバックが本職のアラン・ニョムをコンバートすることで対応しているほどだ。

 したがってポジション争いの厳しさという点では、ビジャレアルに比べれば、ハードルはかなり落ちる。ただ前述したように、ボルダラスは全選手に高い守備意識を持ってプレーすることを課し、そこに例外はない。

 タケも、同じく今冬の加入が決定しているカルレス・アレニャ(バルセロナからの今シーズン終了までのレンタル移籍)も、卓越したテクニックと豊かな創造力の持ち主で、そのヘタフェでは希少価値の高い武器を発揮することが期待されているが、それもチーム戦術に適応することが大前提となる。つまり90分間通してハードワークを続けながら、守備時にプレスに奔走し、ボール奪取に貢献することだ。

 しかもレンタル期間は半年間。与えられた時間は長くはなく、またチームの低迷も適応の難しさに拍車をかける。ただその最大の課題をクリアすれば、視界は一気に広がる。
 

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