歴史的大勝!! レアル・マドリーの8点差以上のスコアは何度目!?

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2015年04月06日

「相手への敬意を失わなかった」ことで13度目の歴史的勝利に。

ハメス・ロドリゲス(右)の復帰戦をド派手な内容の大勝利で飾ったマドリー。5得点のロナウド(左)は、わずか8分間でハットトリックを達成したことでも話題に。 (C) Getty Images

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1シーズンで3度の8点差ゲームを演じた1958-59シーズンのチーム。欧州3連覇中(このシーズンも優勝)のドリームチームだった。 (C) Getty Images

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 4月5日のリーガ・エスパニョーラ第29節、レアル・マドリーはサンチャゴ・ベルナベウにグラナダを迎え、9-1という大勝利を飾った。
 
 キャリア初となる1試合5得点を記録したクリスチアーノ・ロナウドの他、ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマもゴール。9度も相手ゴールネットを揺らしたことについて、カルロ・アンチェロッティ監督は「大いに満足感を得ることができた」と語っている。
 
 通算成績28勝8分け6敗・104得点42失点という“お客様”のグラナダに対しては、10節の対決でもクリスチアーノ・ロナウド、ハメス・ロドリゲス(2点)、カリム・ベンゼマのゴールで4-0と快勝しているマドリーだが、今回は歴史的なスコアを記録した。
 
 世界に冠たるクラブであり、多くの勝利とタイトルに彩られた輝かしい歴史を誇るマドリーであれば、大差の勝利は当然ながら数えきれないほど挙げてきたが、それでも今回のような8点差以上で勝利を挙げた試合は数えるほどしかない。
 
 最も直近の試合ですら、もう四半世紀前となる。まだ名称が「チャンピオンズ・カップ」だった頃の欧州王者を決するコンペティションにおいて、オーストリアのチロル・インスブルックを9-1で下した。エミリオ・ブトラゲーニョ、ウーゴ・サンチェスという自慢の2トップが本領を発揮した一戦だ。
 
 それ以前となると、60年代までさかのぼらなければならない。リーガでの8点差ゲームは1967-68シーズンのレアル・ソシエダ戦。スペイン代表でも活躍し、64年に欧州ネーションズ・カップ(現EURO)という初メジャータイトルをスペインにもたらした、アマンシオ・アマロがエースストライカーとして君臨していた時代である。
 
 レアル・マドリーが最も強かったといわれる、50年代中旬から60年代初頭には、やはり多くの大差ゲームが生まれている。アルフレッド・ディ・ステファノ、フェレンツ・プスカシュ、レイモン・コパ、フランスシコ・ヘントといった国内外のスーパースター選手が、その優れた得点力を爆発させた結果である。
 
 最も多くのゴールを叩き込んだのは、59-60シーズンのエルチェ戦で何と11点! ちなみに下記を見れば分かる通り、エルチェ相手には翌シーズンにも8-0というスコアを生み出しており、非常に相性が良かったようだ。
 
 今回のグラナダ戦を含め、1902年からの長いクラブの歴史でわずか13回しか成し遂げられていない8点差以上の勝利。ちなみに、7点差の勝利は近年にも記録されており、過去の記録集でも頻繁に見つけることができる。理由は不明だが…。
 
 3点差でも十分に「大差」と言えるサッカーという競技において、8点差はある意味、不必要なものであり、そのような(悪い言い方をすれば大味な)試合では選手も無意識のうちにスロットルを緩めてしまうことがあるだろう。勝利を確信すれば集中力も落ちて、簡単なシュートチャンスでもミスを犯しがちだ。
 
 かつては「手を抜かないまでも、相手の名誉のためにも2ケタに近いゴールを奪うことは止めておく」という考えも存在し、それに対して「手を抜かずに最後まで徹底的にゴールを奪うことこそ相手に対する礼儀」という反対意見がぶつかり合った時期もあった。
 
 今回、アンチェロッティ監督は大差となった理由を「相手に対する敬意を最後まで失わなかった」としている。このところ調子を落としていたマドリーが、以前の勢いを取り戻すために分の良い格下相手に対して攻撃に重きを置いてリフレッシュを図ったとも言えるが、選手が最後まで貪欲にゴールを求め、集中力を保ち続けたのは事実である。
 
 サッカーの原点と醍醐味を見せたと言えるグラナダ戦のマドリー。果たしてこのゴールラッシュによって、再び彼らは上昇曲線に描くことができるだろうか。

【写真で振り返る】スーパースターと歩んだレアル・マドリーの歴史

◎マドリーの8点差以上の試合
◇2015年4月5日
リーガ・第29節
(H)9-1 グラナダ
得点者:ベイル(25分)、ロナウド(30・36・38・54・90分)、ベンゼマ(50・56分)、オウンゴール(83分)
 
◇1990年10月24日
チャンピオンズ・カップ・2回戦
(H)9-1 チロル
得点者:ブトラゲーニョ(4・31・48分)、サンチェス(7・13・73・85分)、イエロ(37分)、テンディーリョ(80分)
 
◇1969年9月24日
チャンピオンズ・カップ・1回戦
(A)8-0 オリンピアコス
得点者:アマンシオ(6分)、ヘント(19分)、グロッソ(23・54分)、フレイタス(48・52分)、グランデ(61分)、ピッリ(64分)
 
◇1967年9月16日
リーガ・第2節
(H)9-1 レアル・ソシエダ
得点者:アマンシオ(8・89分)、ピッリ(42・77分)、ブエノ(52分)、ペレス(55分)、ヴェラスケス(56・64・73分)
 
◇1961年10月25日
チャンピオンズ・カップ・2回戦
(H)9-0 オーデンセ
得点者:プスカシュ(7分)、デル・ソル(25・30分)、ディ・ステファノ(35・43・73分)、ヘント(55・57分)、サンチェス(88分)
 
◇1961年1月22日
リーガ・第18節
(H)8-0 エルチェ
得点者:カナリオ(17分)、ディ・ステファノ(24・28分)、プスカシュ(27・37・48・65・70分)
 
◇1960年2月7日
リーガ・第21節
(H)11-2 エルチェ
得点者:プスカシュ(13・17・31・82分)、ペピーリョ(22・27・48・51・62分)、ヘント(57分)、サンティステバン(59分)
 
◇1958年10月5日
リーガ・第4節
(H)8-0 オサスナ
得点者:ディ・ステファノ(20・33・79分)、リアル(34・89分)、プスカシュ(45分)、ヘント(67・74分)
 
◇1959年1月4日
リーガ・第16節
(H)10-1 ラスパルマス
得点者:エレーラ(21分)、ディ・ステファノ(38・46・59分)、ホセイト(40・70分)、コパ(48分)、プスカシュ(52・68・73分)
 
◇1959年4月5日
リーガ・第28節
(H)8-0 セビージャ
得点者:ディ・ステファノ(5・36・89分)、リアル(46分)、プスカシュ(58・86分)、コパ(77分)、ヘント(88分)
 
◇1958年1月23日
チャンピオンズ・カップ・準々決勝
(H)8-0 セビージャ
得点者:ディ・ステファノ(10・54・85・88分)、コパ(37・73分)、マルサル(48分)、ヘント(81分)
 
◇1945年4月22日
リーガ・第24節
(H)8-0 サバデル
得点者:コロナ(5分)、バリナガ(13・18・69分)、ジュンタ(32分)、アルシュア(43・74分)、マルティン(68分)
 
◇1941年11月16日
リーガ・第8節
(H)9-1 カステジョン
得点者:アルダイ(12・63・71・76分)、ベルマール(43分)、アロンソ(54・74分)、アルシュア(82・86分)

※得点者はR・マドリー側のみ記載。(H)=ホームゲーム (A)=アウェーゲーム
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