【岩本輝雄】“自分たちのサッカー”が激しくぶつかり合った横浜ダービー

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2020年12月22日

タイトルとか何かが懸かっていたわけではないけど…

終了間際にはカズさんもピッチに登場。54歳となる来季も元気な姿を見たいね。写真:徳原隆元

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 コロナ禍の影響でいろいろあったJリーグも、無事に終わりを迎えることができた。最終節に足を運んだのは三ツ沢。昨季王者のマリノスと、昇格組の横浜FCの“横浜ダービー”は、3-1で横浜FCが勝利した。

 マリノスは相変わらず、スピーディなサッカーを展開していたね。中断期間もあった今年のJリーグはスケジュールがタイトで、連戦に次ぐ連戦に。そうしたなかで、マリノスの攻守にアグレッシブなあのスタイルは、かなりの運動量が求められるし、相当にキツかったはず。選手たちも大変だったと思う。

 相手に休ませる時間を極力与えないように、リスタートもとにかく速い。あのスピード感は、世界でもトップクラスなんじゃないかな。

 方向性は間違っていないと思う。連覇という目標は果たせず、今回のダービーも手痛い黒星を喫した。もしかしたら、選手たちに疲労が溜まっていたのかもしれないけど、通常の日程になるだろう来季は、もう少し余裕を持って戦えるはず。もっと迫力ある戦いができるはず。今年は9位と中位に沈んだとはいえ、きっと持ち直すんじゃないかな。

 一方の横浜FCは、最終的に15位でフィニッシュ。決して満足できる成績ではないだろうけど、内容に目を向ければ、やろうとしていることがしっかりと表現できているよね。

 下平監督がこだわるビルドアップは、このマリノス戦でも十分に機能していた。高い位置から果敢に奪いにくる相手を上手く剥がしてみせる。構図としては5対3。ボール奪取を狙うマリノスの3トップに対して、GKを起点に2CBとダブルボランチがバランス良くポジションを取って、スムーズにボールを回していく。
 
 敵陣に入れば、サイドハーフの効果的な動き出しによって、SBがフリーでボールを受けて攻撃を繰り出す。サイドハーフがさらに相手のCBとSBの間に入り込めば、今度は2トップが自由になるシチュエーションが生まれる。

 自分たちがアクションを起こして相手を動かし、そこでできたスペースを狙う。一連の連動性は見事。チームとしてしっかりと土台が築けていると思う。

 マリノスのポステコグルー監督、横浜FCの下平監督、ともに来季の続投が発表されている。それぞれが“自分たちのサッカー”と胸を張って言えるものが、ピッチ上で激しくぶつかり合った今回のダービー。タイトルとか何かが懸かっていたわけではないけど、シーズンの最後に見応えあるゲームが観れて良かったよ。

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