1か月半前の練習中にアクシデントが襲う
出場時間は僅か12分。チームを救う劇的な勝ち越し弾は空砲となり、最後はPK戦で涙を飲んだ。試合に決着が付くと、がっくりと肩を落としながらも仲間の元へ駆け寄っていく。準決勝の舞台に連れて来てくれてありがとう――。日大藤沢のFW鈴木イブラヒーム輪太朗(3年)は仲間たちへの想いを噛み締めながら、涙にくれる選手たちに手を差し伸べた。
11月8日に行なわれた高校サッカー選手権の神奈川県予選・準決勝。桐光学園と対戦した昨年の代表校・日大藤沢は0−1で迎えた後半24分に斉藤夏(3年)のゴールで追い付き、延長戦に持ち込んだ。そして、延長後半5分。延長前半8分からピッチに立った鈴木が勝ち越し弾を決めた。これで誰もが勝負は決したと思ったが、1分後に一瞬の隙を突かれてカウンターから失点。PK戦に持ち込まれ、最後は力尽きた。
土壇場で生まれた鈴木の逆転弾。ゴールが決まると、日大藤沢の選手たちは背番号9の元へ駆け寄って喜びを爆発させた。もちろんリードを奪ったからだが、もう一つ理由がある。怪我で離脱していたエースのゴールを誰もが待ち望んでいたからだ。
今から1か月半前の練習中。鈴木はアクシデントに見舞われた。左足の腿裏の肉離れで下された診断は全治4週間。「間に合うのかな……」。1週間後に控える選手権予選の初戦だけではなく、11月8日の準決勝も間に合わない可能性に頭を抱えた。しかし――。仲間たちから掛けられた言葉に救われたという。
「絶対に勝つから。準決勝までに戻ってこい」
仲間たちの想いに鈴木は奮い立った。迎えた選手権初戦。試合前の集合写真撮影時にチームメイトたちが9番のユニホームを掲げてくれた。ベンチ外だった自分の想いを背負う覚悟を示す行動に、気持ちはより高ぶったという。
「仲間がここまで自分のことを思ってくれている。絶対に結果を残さないといけない」
リハビリを開始しても仲間たちからの後押しは続き、ストレッチを共にすることが多かったGK濵中英太郎(3年)からは幾度となく励まされた。そうした仲間の想いに鈴木も応えようとする。怪我を少しでも回復させるために幾つも病院を回り、復帰のために最善を尽くした。怪我の状態が当初の想定よりも重かった影響で思うように回復しなかったが、桐光学園戦の1週間前に全体練習へ復帰。佐藤輝勝監督も起用に慎重な姿勢を崩していなかったものの、前日練習で起用を決断。今大会初めてベンチに入ることになった。
11月8日に行なわれた高校サッカー選手権の神奈川県予選・準決勝。桐光学園と対戦した昨年の代表校・日大藤沢は0−1で迎えた後半24分に斉藤夏(3年)のゴールで追い付き、延長戦に持ち込んだ。そして、延長後半5分。延長前半8分からピッチに立った鈴木が勝ち越し弾を決めた。これで誰もが勝負は決したと思ったが、1分後に一瞬の隙を突かれてカウンターから失点。PK戦に持ち込まれ、最後は力尽きた。
土壇場で生まれた鈴木の逆転弾。ゴールが決まると、日大藤沢の選手たちは背番号9の元へ駆け寄って喜びを爆発させた。もちろんリードを奪ったからだが、もう一つ理由がある。怪我で離脱していたエースのゴールを誰もが待ち望んでいたからだ。
今から1か月半前の練習中。鈴木はアクシデントに見舞われた。左足の腿裏の肉離れで下された診断は全治4週間。「間に合うのかな……」。1週間後に控える選手権予選の初戦だけではなく、11月8日の準決勝も間に合わない可能性に頭を抱えた。しかし――。仲間たちから掛けられた言葉に救われたという。
「絶対に勝つから。準決勝までに戻ってこい」
仲間たちの想いに鈴木は奮い立った。迎えた選手権初戦。試合前の集合写真撮影時にチームメイトたちが9番のユニホームを掲げてくれた。ベンチ外だった自分の想いを背負う覚悟を示す行動に、気持ちはより高ぶったという。
「仲間がここまで自分のことを思ってくれている。絶対に結果を残さないといけない」
リハビリを開始しても仲間たちからの後押しは続き、ストレッチを共にすることが多かったGK濵中英太郎(3年)からは幾度となく励まされた。そうした仲間の想いに鈴木も応えようとする。怪我を少しでも回復させるために幾つも病院を回り、復帰のために最善を尽くした。怪我の状態が当初の想定よりも重かった影響で思うように回復しなかったが、桐光学園戦の1週間前に全体練習へ復帰。佐藤輝勝監督も起用に慎重な姿勢を崩していなかったものの、前日練習で起用を決断。今大会初めてベンチに入ることになった。