コロナ禍によりリーグ中断や降格無し、交代枠が５人に増えるなど異例のシーズンとなった2020年のＪ１リーグも終盤戦に突入した。ここでは各クラブの番記者にここまでの評価と残されたシーズンでの現実的な目標をアンケートした。

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横浜FC
今季成績（11月12日時点）：14位（勝点27／８勝３分16敗）、残り７試合

【当初の目標】勝点45、10位以内
【今季ここまでの評価】65点／100点

【採点理由】
　13年ぶりのJ１でのシーズンが前代未聞な事態になってしまったことは残念でならないが、選手層が決して厚いとは言えない中でここまでの戦いぶりは一定の評価ができる。

　前半戦は苦しく目まぐるしかった。中断期間中に徹底的なポゼッション、前線からのハイプレス、3バックと様々なことにトライしながら3節・柏戦で初勝利を挙げたが、そこから5連敗を経験。その後、連敗を止めたかと思えば3連勝を達成し、07シーズンの勝利数に早くも並んだ。ここで感じられた収穫と課題がシーズン後半につながった部分は大きい。

　そこからさらなる浮上を狙った後半戦はゲーム内容では上積みが見られる部分が多いが、その分、結果が出ない時のショックが大きく、もどかしい時間を多く過ごした。完璧なゲーム運びを披露した19節・浦和戦や劇的な幕切れとなった23節・FC東京戦、28節・神戸戦とチーム力を示したゲームがある一方で、大量失点での敗戦や逆転負けも多く、チームとしての未熟さを露呈してしまったゲームも少なくない。内容を見れば充実したゲームが多いだけに、そこに結果が付き始めるとチームとしても、さらによいサイクルでシーズンを戦っていけるはずだ。

【注目の一戦】34節・横浜F・マリノス戦
今季のホーム最終戦が横浜ダービー。夏場に対戦した時は完敗だっただけにホームで意地を見せ、来季につなげたい。

【終盤戦のベストシナリオ】
　今季の目標である『勝点45・10位以内』に向けて残り7試合、ベストなシナリオは全勝としたい。順位は他クラブの状況もあるため予想できない部分も多いが、勝点に関してはあくまで自分たち次第。現在の勝点が『27』であることを考えると、目標達成のためには最低でも6勝1敗のハイスコアが求められる。

　ただ、それはあくまでも究極の理想。現実的な結果として求めたいのが“残留決定”である。例年通り、3チームに降格の可能性があるとすれば、いまは14位と安全圏だが、残留ラインをここ数年と同じく勝点30台後半と定めると、まだまだ勝点は足りていない。もっとも来季は4チームに降格の可能性があるかもしれないと言われている。その中で生き残るために“J１で勝つこと”の経験をいまよりさらに積んでおく必要があるだろう。

　最後に、今季だからこそ見てみたいゲームとしてはホームでのレジェンド共演。18節・川崎戦で三浦知良、中村俊輔、松井大輔が同時にピッチに立ったが、アウェーゲームだったため、横浜FCサポーターのほとんどは観られていない。13年ぶりに戦ったJ１の舞台の締めくくりとして豪華絢爛なゲームを期待したい。

取材・文●須賀大輔（フリーライター）

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