稀代のカリスマに衰えは見られない。ミランに所属する元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチだ。

　先月３日に39歳となったが、その力はいまだ健在だ。今シーズンも開幕から５試合に出場しているセリエAでは、８ゴールを叩き出し、得点ランキングで貫禄の単独トップに君臨している。

　本人は、イタリアの衛星放送『Sky Italia』で「俺は得点王に興味がない」と語っているが、40歳手前で、ゴールラッシュを決め込んでいる男への期待感は日増しに高まるばかりだ。

　かつてミランでコンビを組んだ“盟友”も、イブラヒモビッチの現状には舌を巻いている。元イタリア代表FWのアントニオ・カッサーノは、インスタグラムで同胞のクリスティアン・ヴィエリとのライブ配信なかで、「40歳にして他の選手との大きな違いを見せることができたのは、俺が知る中では、あいつの友だちパオロ・マルディーニくらいだ」と絶賛した。

「衝撃的な話だよ。ここまでも少なくとも、あと２点取れるチャンスがあったし、こないだはPKを失敗したけど、５試合で８ゴールを決めている。本当に衝撃的さ。もしも、背後に俺とか（フランチェスコ）トッティとか、（アンドレア）ピルロがいたとしたら、この先、あと30点は取るだろうね」
 

　さらにPKを失敗した先日のヴェローナ戦後に「キッカーはケシエに譲る」とイブラヒモビッチがコメントしていたことにも「どうせ、彼は次も自分で蹴るよ。我慢できないだろうからね」と触れたカッサーノは、こう続けている。

「俺が考えるに、あいつは歴代でも“怪物”ロナウドとマルコ・ファン・バステンに続く３番目のストライカーだ。ただ、二人よりも何でもできるのはズラタンだと思ってる。新型コロナウイルスで２試合も欠場しているのに、これだけ違いを生み出せているのは、本当に困惑するぐらいに凄い」

　現在、セリエAで首位に立ち、10シーズンぶりのスクデット獲得も夢ではないほど幸先の良いスタートを切ったミラン。そんな「覇権奪取」を目指すチームを牽引するイブラヒモビッチの一挙手一投足から、今後も目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部