シティとの大一番でメンバーにすら入れなかった
いま、南野拓実はどこにいるのだろうか。少なくともマンチェスター・シティとの大一番に、彼の姿は残念ながらなかった。
私はここ数日、いや数週間、リバプールの現状に関する情報を追っていた。そこではトップチームの序列をテーマにしたレポートが目立ったが、南野に対する言及がないものが大半だった。数か月前には、ユルゲン・クロップ監督のチームでレギュラーを確保するのではないかとファンやメディアで期待されていた彼が、だ。
競争の激しさと言えるかもしれない。この数か月の間には、ウォルバーハンプトンからやってきた新戦力のディオゴ・ジョッタが、チャンピオンズ・リーグのアタランタ戦でハットトリックを決めるなど、公式戦11試合で7ゴールと目に見える結果を残した。今やファンのハートはおろか、クロップら首脳陣の信頼もがっちり掴んでいる。
加えて今シーズンは、昨シーズンはベンチにも満足に入れていなかったジェルダン・シャキリが、トップチームの貴重な戦力として格上げされた。事実、南野がメンバーに入れなかったシティ戦でスイス代表MFは途中出場ながら約30分間のプレータイムを与えられた。
こうした現状をかんがみても、やはり南野の立場は揺らいでいると言わざるを得ない。
私はここ数日、いや数週間、リバプールの現状に関する情報を追っていた。そこではトップチームの序列をテーマにしたレポートが目立ったが、南野に対する言及がないものが大半だった。数か月前には、ユルゲン・クロップ監督のチームでレギュラーを確保するのではないかとファンやメディアで期待されていた彼が、だ。
競争の激しさと言えるかもしれない。この数か月の間には、ウォルバーハンプトンからやってきた新戦力のディオゴ・ジョッタが、チャンピオンズ・リーグのアタランタ戦でハットトリックを決めるなど、公式戦11試合で7ゴールと目に見える結果を残した。今やファンのハートはおろか、クロップら首脳陣の信頼もがっちり掴んでいる。
加えて今シーズンは、昨シーズンはベンチにも満足に入れていなかったジェルダン・シャキリが、トップチームの貴重な戦力として格上げされた。事実、南野がメンバーに入れなかったシティ戦でスイス代表MFは途中出場ながら約30分間のプレータイムを与えられた。
こうした現状をかんがみても、やはり南野の立場は揺らいでいると言わざるを得ない。
リバプールに移籍した当初は、チームが優勝争いの真っただ中にあったため、出場機会が得られていなかった南野。だが、私は新型コロナウイルスの影響などによる過密日程を強いられる今シーズンこそは、先発としての出場機会も増えていくと想像していた。
開幕当初からロベルト・フィルミーノが蓄積疲労の影響で、明らかにトップフォームではないことも、私の考える南野の可能性を後押しした。しかし、物事はテレビゲームのようにうまくは進まない。現実として、序列において南野の前にはジョッタが立ちはだかっている。
この状況を覆すために南野は、ピッチで結果を残したいところだが、シティ戦のようにベンチにも置かれないとなると、状況はより一層深刻化していく(もちろん、これは彼自身がどうにかできる問題ではないのだが……)。
タイトルを争うメガクラブにあっては当然の競争であり、この先、全くのチャンスがないわけではない。チームを操舵するクロップは、「ほぼ全員が私たちに素晴らしい瞬間を見せてくれている。それはシャキリやミナミノ、オリギにせよね」と今後もポジション争いが続いていくことは示唆してもいる。だが、ジョッタが突き抜けてしまった現状は、南野にとって芳しくないのは紛れもない事実だろう。
セレッソ大阪やザルツブルクでは絶対的なレギュラーとして扱われていた南野にとっては、おそらく初めての苦境だ。私はそれが長い冬になるとも考えているが、彼は厳しい期間を我慢強く、乗り越えていけるだろうか。
取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
開幕当初からロベルト・フィルミーノが蓄積疲労の影響で、明らかにトップフォームではないことも、私の考える南野の可能性を後押しした。しかし、物事はテレビゲームのようにうまくは進まない。現実として、序列において南野の前にはジョッタが立ちはだかっている。
この状況を覆すために南野は、ピッチで結果を残したいところだが、シティ戦のようにベンチにも置かれないとなると、状況はより一層深刻化していく(もちろん、これは彼自身がどうにかできる問題ではないのだが……)。
タイトルを争うメガクラブにあっては当然の競争であり、この先、全くのチャンスがないわけではない。チームを操舵するクロップは、「ほぼ全員が私たちに素晴らしい瞬間を見せてくれている。それはシャキリやミナミノ、オリギにせよね」と今後もポジション争いが続いていくことは示唆してもいる。だが、ジョッタが突き抜けてしまった現状は、南野にとって芳しくないのは紛れもない事実だろう。
セレッソ大阪やザルツブルクでは絶対的なレギュラーとして扱われていた南野にとっては、おそらく初めての苦境だ。私はそれが長い冬になるとも考えているが、彼は厳しい期間を我慢強く、乗り越えていけるだろうか。
取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。