【川崎】チームメイトの反応。中村憲剛の引退をどう受け止めたのか

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2020年11月02日

「準備していない状態で言われました」

中村を近くで見続けてきた登里(写真左)。憧れの存在だったと振り返る。(C)SOCCER DIGEST

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 中村憲剛の今季限りでの引退発表から一夜、トレーニングを行なったチームで、登里享平と脇坂泰斗がオンライン取材に登場した。

 11月1日に行なわれた引退会見の数日前、決断を伝えられていたという登里は、8月末に約10か月ぶりに左膝の怪我から復帰し、先発した23節の名古屋戦では2アシストとチームのリーグ新記録11連勝に貢献した尊敬する先輩の姿を見ていただけに、その選択を予想していなかったと振り返る。

「呼ばれて、部屋に入ったら2人切りで。ちょっとおかしいなというのが本音で。キョロキョロしてドッキリかなと思ってカメラを探したりもしたんですが、話し出した瞬間にピリッという空気に変わりました。本当に準備していない状態で言われました」

 登里と同じタイミングで伝えられたのは年長者中心の数選手だ。そして全選手、全スタッフには、会見の前に中村が説明したという。それだけに、会見当日、選手たちは困惑気味だったと、登里はユーモアを交えて説明する。

「記者会見があることは、皆、知っていて。でも内容は分からなくて。それでたまたま僕が午前中、(子どもの)幼稚園の面接で、スーツを着て参加したので(長谷川)竜也とか(脇坂)泰斗とかが『ノボリさんどうしたんですか?』と。皆、なにがあるのかという感じでした」

 それでも全員が集合し、庄子春男GMが「ケンゴから」と促した瞬間、誰もが一瞬にして覚悟したという。

 その様子は「『引退します』と冒頭に(中村が)話した瞬間に皆が泣き始めて、自分も分かっていましたが、やっぱりその言葉が今、思い出しても寂しいですね」と話す。
 
 登里にとって中村は「もうフロンターレと言えばケンゴさんというイメージでした」と絶対的な存在であり、「自分なりのサッカー観を持つようになって、サッカーを理解してから、ケンゴさんの凄さは改めて分かってきました。ケンゴさんがいたから、自分がここまで成長できましたし、ポジションは違いますが、そういう選手になりたいと、ずっと背中を見てきて頑張ってきました」と振り返る。

 だからこそシーズンが終わるまでの残りの2か月で、「教えてもらえることもあると思うので、貴重な時間にしたいです」と目標を語った。

 狙うはクラブとして開幕時に掲げた、複数タイトル獲得だ。リーグは独走状態にあり、1、2位が出場権を得られる天皇杯初制覇も視野に入れる。

 ただし気負う必要はないのだろう。登里もこう意気込む。

「ケンゴさんのためにという想いも多少ありますが、本人もそういう感覚はいらないと強く言ってくれたので、チームが良い状態で終われれば、もちろんちょっとはケンゴさんのためにというのはありますが、良い試合をして、皆が良いパフォーマンスをすれば、ケンゴさんも出場して良いプレーができると思います。今まで通り自分たちにフォーカスして相手を圧倒する試合がしたいです」
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