【岩本輝雄】群を抜く存在感を見せつけた渡辺皓太。マルコスより重用されるかも!?

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2020年10月22日

俗に言う、“サッカーを知っている”選手だ

グランパス戦では値千金の決勝弾をゲット。ゲームメイクもできて、得点センスもある渡辺は、超攻撃サッカーを貫くマリノスにハマっているよね。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第33節]横浜2-1名古屋/10月22日/日産ス

 群を抜く存在感だったね。

 グランパスに2-1で勝利したマリノスで、インサイドハーフの一角で先発した渡辺皓太は、終了間際に途中交代するまで本当にタフにプレーしていて、勝負を決定づけるゴールまで決めた。

 とにかく活動量が多くて、要所で顔を出して、マリノスの攻撃に勢いをもたらしていた。特筆すべきは、そのポジショニング。相手のサイドハーフとボランチの間、あるいはボランチとボランチの間とか、中間ポジションに入り込んで、パスを引き出す。

 狭いスペースでも、巧みにフリーになれる。相手が嫌がるようなポジションを取るから、捕まえづらかったと思う。あのポジショニングひとつ見ても、センスの高さがうかがえるよ。俗に言う、“サッカーを知っている”選手なんだろうね。

 そうしてパスを引き出して、マイボールにしてからも素晴らしい。ほとんどロストしない技術の高さがある。上手く身体を使ってボールを相手から遠ざけたり、瞬時に逆を取って前を向いたり。ターンするタイミングも良い。だからといってボールを持ちすぎず、テンポ良く捌いて、次の展開に備えて動き出す。

 豊富なスタミナはもちろん、一つひとつのプレースピードが速い。マリノスのアップテンポなサッカーを支えているひとりだと思う。

 1-1で迎えた80分には、小池龍太からのパスに反応して、エリア内に侵入して左足シュートで決勝点をゲット。この得点シーンでも見られたように、フィニッシュに積極的に絡む姿勢も評価したい。前半にも思い切ったミドルシュートで相手GKを慌てさせたけど、ゲームメイクもしながら、決定的な仕事にも絡んでいくことができる選手だ。
 
 同じようなタイプが、マリノスにいるよね。昨季のリーグ制覇の立役者でもあるマルコス・ジュニオールだ。彼の運動量も相当なもので、常に動き回りながら、多くのビッグチャンスを演出する。精力的なディフェンスでの貢献度も高い。

 ライバルと言えばライバルなんだろうだけど、マルコスと同じぐらいのパフォーマンスを渡辺が示せるようになれば、マリノスはさらに手強いチームになるはず。ローテーションで回してもいいし、ふたり同時起用の可能性だってある。

 残念ながらリーグ連覇の可能性は消えたけど、ACLが残っている。渡辺の成長ぶりを見れば、チームとしての伸びしろがまだあることが分かるし、アジア制覇への期待も膨らむ。マルコスとは違って、ボランチでも計算できる点を考えれば、渡辺の存在価値は高い。

 グランパス戦の内容はたしかに良かったけど、コンスタントにこれを続けられるか。継続して高いパフォーマンスを見せられるか。ポテンシャルは間違いなくあるだけに、今後のさらなる成長に注目したい。
 
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