【岩本輝雄】好調セレッソの最重要人物は誰? 背番号10より注目しているのは…

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2020年09月02日

藤田はそれを瞬時に察知して、実行に移す

自らのやるべきことを90分間、ミスなく淡々とこなす。藤田(5番)のそうしたプレーは、随所でチームを助けている。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 リーグで3連勝と勢いに乗る横浜FCが、上位のセレッソ相手にどこまで戦えるか。自分たちで主導権を握るサッカーが特長の横浜FCは、この試合でもポゼッション率で相手を上回る内容だった。自分たちのスタイルを表現できていたのは間違いないけど、勝点3を掴んだのはセレッソだった。

 14分、清武が自慢のテクニックで相手DFを翻弄して左足シュートを流し込む。58分のブルーノのゴールも、起点となったのは清武だ。左サイドから敵陣に鋭く切れ込んでいく。このアタックは上手くいかなかったけど、こぼれ球を味方つないで、最後はブルーノが押し込む形だった。

 セレッソは2-0とした後に1点を返されたけど、それ以上の失点は許さず、逃げ切ってみせた。ボールは握られたものの、要所をしっかりと締めて、勝利を手繰り寄せた。

 セレッソのここまでの戦いぶりを見る限り、2位という順位を考えてもそうだけど、2年目を迎えたロティーナ体制は、チームとして着実に完成度を高めている印象だ。緻密な戦略家として定評のある指揮官と、その右腕であるコーチのイバンが落とし込む戦術の浸透度は十分。それを表現するのが、清武やブルーノ、坂元らクオリティの高い選手だからね。上位にいるのもうなずけるよ。

 際立つのは、堅実な守備。不用意にスペースを与えず、状況に応じて各選手が臨機応変に対応する。チーム全体でポジショニングのバランスがいいんだよね。相手からすれば、どこから崩していこうかと迷うはず。それは、セレッソの守備陣形に隙がないから。言うなれば“遅攻させるディフェンス”だね。

 攻撃面では、横浜FC戦で2得点に絡んだ背番号10の充実ぶりが目を引く。ボールを持った時の技術に加えて、相手のギャップを突いた位置取りも見事。パスを出すか、ドリブルで持ち運ぶかの判断も的確で、ここぞという勝負どころでは自分の能力を最大限に発揮できる。今の清武は、非常に怖い存在だと思う。
 
 清武のさらなる活躍が楽しみなのはもちろん、個人的に注目しているのが、藤田だ。実績のあるボランチだけど、改めて本当に良い選手だと思うね。決して派手なプレーヤーではない。でも、シンプルかつテンポ良くパスを捌けるし、攻守の切り替えも素早く、ルーズボールの回収率も高い。

 そうした働きを90分間、淡々とやり遂げる。極端にミスが少なく、自分のタスクを確実にこなしていく。ずっと安定している。それがどれだけチームの助けになっているか。簡単なように見えて、実はこれが一番難しかったりする。

 ピッチ上の自分以外の21人の動きをよく観察できているんじゃないのかな。この時間帯では何をすべきか、このシチュエーションではどう振る舞うべきか。藤田はそれを瞬時に察知して、実行に移せる。余計なことはしない。だから、一つひとつのプレーが効果的で、チームを上手く機能させることができているんだと思う。

 攻守両面で藤田の貢献度と存在感は無視できない。セレッソ躍進の鍵を握る選手だね。

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