「堂安律に求められるのは、“爆発”」背番号8の活躍が、ビーレフェルト残留のカギを握っている【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2020年10月07日

3試合を終え、ビーレフェルトは1勝1敗1分け

PSVからのレンタルで加入した堂安。その両肩には、かなりの期待を背負っているはずだ。(C)Getty Images

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 日本代表MF堂安律がプレーするビーレフェルトは、今シーズン2節ケルン戦(9月25日)で1-0で勝利し、昇格後、初の勝点3をあげた。

 実に11年ぶりの1部リーグ復帰だ。どれだけファンは待ちわびていたことだろう。新型コロナウイルスの影響で入場制限がされているなか、この日のスタジアムには上限である5460人のファンが詰めかけ、選手たちを暖かく迎え入れた。

 監督のウーベ・ノイハウスは「彼らの前でまたプレーできるというのは特別なことだった」と喜び、MFマヌエル・ピリエトルは「5460人のファンが、2万人分の歓声を送ってくれた」と最高の雰囲気を作り出したファンに感謝の思いを口にしていた。

 この試合で貴重な決勝点を挙げたのはジョン・シムン・エドムンドソン。フェロー諸島代表選手としては、史上初となるブンデスリーガ1部でのゴールでもあった。それだけに、試合後には「ファンタスティックな気持ちだよ! 僕らは全力を出して戦ったんだ」と興奮を隠さず、一息で言葉を紡ぎ出していたのが印象的だ。
 
 ビーレフェルトの強みは組織力の高さだ。組織的な守備で相手の攻撃を跳ね返し、シンプルなパス回しからキャプテンで点取り屋のCFファビアン・クロスをターゲットに、素早くシュートまで持ち込むのが基本的な戦い方となる。彼らはこの手法で2部リーグを制覇し、昇格の切符を手にした。

 ただ、やはり2部と1部では明確な違いがある。昨シーズンであれば、ゴールチャンスまで持っていける形が途中で相手に分断される。シュートまで持ち込めるはずが、最後のところでブロックされる。

 選手層で他のクラブとの差は歴然としているのは、自他ともに認めるところだろう。ビーレフェルトの市場価値は、全選手総額で3400万ユーロ(約42億5000万円)。ブンデスリーガ全体で圧倒的に少ない18位となる。バイエルンが8億8475万ユーロ(約1105億9375万円)なので、実に約26倍もの差がある。

 組織力だけでは、1部リーグを乗り切ることは難しい。だからこそ、個の質で状況を好転させることのできる堂安の“爆発”は、残留に向けて必須条件ともいえるのではないだろうか。

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