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度量の大きいジダン、“明智光秀タイプ”のエメリ…多様なリーダーシップの“種類”【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2020年09月02日

“はみ出し者”も見捨てなかったジダン

ジダン(左)はCL、エメリ(右)はELを3連覇に導く。タイプは違えど欧州の結果を残している指揮官だ。(C) Getty Images

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 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公である明智光秀は、織田信長の配下として優秀な家臣団を作っていた。信望を得られるだけのリーダーシップがあったのだろう。光秀は篤実な性格のリーダーで、内政事業のその点が出ているがそれを反映させるように家臣も誠実で真面目なタイプが多く、その一体感と実務力こそが強みだった。

 一方、同じ信長配下で出世を競い、のちに天下人になった羽柴秀吉も、人間的な魅力を振りまき、抜きん出た統率力を発揮している。自らが百姓の息子だったように、家臣も出自や性格などは関係なく、適材適所で力を引き出した。野盗まがいから在野の軍師、土木事業や外交や事務官僚に長じた者など多士済々の軍団だった。

 どちらも、リーダーシップの一つだろう。

 しかし時代が答えを出しているように、清濁併せ呑む秀吉の方が大きな力を持てるのは間違いない。多様な人材を得ることで、どんな状況にも柔軟に対応できる。それを束ねるパーソナリティさえあれば、これほど強固な集団はないだろう。

 前置きが長くなったが、サッカーにおけるリーダー論も同じ話である。
 
 レアル・マドリーで欧州3連覇を成し遂げたジネディーヌ・ジダン監督は、まさに度量の大きな指揮官と言える。ジダンは特定の選手をひいきしたり、干したりすることがない。周りに何を言われようとも、集団に貢献できなら、どんな選手でもピッチに送り出す。ハメス・ロドリゲスやガレス・ベイルのような“はみ出し者”でもシーズンが終わるまで見捨てなかった。

 寛容で重厚とも言えるリーダーシップで、手練れの選手たちも心服させている。

 もっとも、ジダンのようなリーダーシップは神がかったもので、誰にでも得られるものではない。というよりも、稀有なカリスマだろう。例えば、反発した者を大目に見てしまうと、たいていは侮られたり、結束が乱れたりし、“寝首をかかれる”のだ。

 そこで、“凡人”がリーダーとして集団を率いる時には、まずは自分の“分身”になるような選手を麾下に入れることが定石になる。分かり合えるもの同士であれば、グループに対する掌握も効く。もしくは従順で、真面目な人物も適当だろうか。分身を中心に一つに束ねることで、組織の力を十分に引き出せる。
 
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