【現役監督のCL展望】バルサが抱える「弱点」を突ければ、ナポリにも十分勝機はある

カテゴリ:ワールド

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2020年08月08日

ナポリのブロック守備はよく組織されているが

メッシ(左)への依存度がきわめて高いバルサは、セリエA最高のCBとの呼び声も高いクリバリ(右)擁するナポリ守備陣を攻略できるのか。(C)Getty Images

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[チャンピオンズ・リーグ ラウンド・オブ16 第2レグ展望]
バルセロナvsナポリ
●日時:8月8日21時(日本時間28時)キックオフ
●会場:カンプ・ノウ
●欠場者
・出場停止:バルセロナ=ブスケッツ(MF)、ビダル(MF) ナポリ=なし
・欠場濃厚の負傷者:バルセロナ=ウンティティ(DF) ナポリ=なし
●第1レグの結果:1-1の引き分け
 
 ホームで戦うバルサは当然のように、ポゼッションで主導権を握って試合を進めようとするはず。それに対してナポリも、重心を下げたコンパクトなブロックで相手の攻撃をはね返しつつ、奪ったボールを効率的かつ効果的にフィニッシュに結びつけようとする戦い方を選ぶだろう。

 ナポリのブロック守備はよく組織されている。だが第1レグがそうだったように、バルサの攻撃陣はメッシらの際立ったワンプレーによって守備網をこじ開け、ゴールを奪うクオリティーを持っている。早い時間帯でそれが起こり、バルサがリードを奪う展開になれば、ナポリにはそれを挽回することは難しいだろう。
 
 しかし、ナポリにも勝機がないわけではない。バルサは、ネガティブトランジション(攻→守の切り替え)に弱点を抱えている。ボールロスト直後のカウンタープレスが効かず、オープンスペースにボールを持ち出された時には、ピケ、ラングレというCBペアが個人能力で食い止める以外にないという状況に陥りやすい。ナポリにとっては、そうした状況をできるだけ多く作り出すことが戦術上の狙いになる。

 CFに起用すべきは基準点型のミリクより、スピードとクイックネスに優れたメルテンス。彼やインシーニェ、あるいはジエリンスキが、2ライン(DFとMF)間やオープンスペースで前を向いてCBに1対1を仕掛ける、あるいはスピードに乗ったカウンターで持ち上がる形になれば、ピケ、ラングレは大きな困難に陥るはずだ。

 もしナポリが第1レグのような形で先制できれば試合は面白くなるが、バルサの攻撃を1時間以上耐え切るというのは簡単なことではないだろう。むしろ、均衡を保ったまま試合終盤まで勝利の可能性を残すような展開になったときの方が、ジャイアントキリングの可能性は大きくなりそうだ。

分析●ロベルト・ロッシ
翻訳・構成●片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト8月6日発売号』より転載。同号では、一発勝負の短期決戦となるチャンピオンズ・リーグを大展望している。

【分析者プロフィール】
1962年3月16日生まれのイタリア人監督。MFだった選手時代は名将サッキや元日本代表監督のザッケローニに師事し、99年に引退。01~08年はインテルなどでザッケローニのコーチ兼スカウト。その後はイタリアの下部リーグで監督を務め、19年1月からチェゼーナ女子(セリエB)を率いる。
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