将来はビッグクラブで主役を張れる器
「正直、いまでも惜しいことをしたなあって思うよ」
そう独りごちるのは、現在発売中の「ワールドサッカーダイジェスト」で、ラ・リーガのシーズンベストプレーヤーを選出する座談会に参加しているハビエル・ガスコン記者だ。スペイン最古のスポーツ紙『ムンド・デポルティボ』でバルセロナ番を務めるベテランジャーナリストは、久保建英をレアル・マドリーに“奪われた”1年前のバルサの失態を、いまも嘆いている。
そう独りごちるのは、現在発売中の「ワールドサッカーダイジェスト」で、ラ・リーガのシーズンベストプレーヤーを選出する座談会に参加しているハビエル・ガスコン記者だ。スペイン最古のスポーツ紙『ムンド・デポルティボ』でバルセロナ番を務めるベテランジャーナリストは、久保建英をレアル・マドリーに“奪われた”1年前のバルサの失態を、いまも嘆いている。
ガスコン記者が初めて久保のプレーを見たのは、バルサのアレビン(10~11歳のカテゴリー)のチームに所属していたときだった。
「その当時、たまたま知り合ったユースチームの選手の両親に、『アレビンに凄い子がいるぞ』って教えてもらってね。すぐに練習を見に行ったんだ。その子が日本人なのかスペイン人なのか、なにも知らなかった。でも、どの選手が“凄い子”かは一発でわかったよ。それはもう、スペクタクルだったね。これは、とんでもない選手になるぞって思ったし、周りの大人はみんなそう言っていた。タケは本当に怪物だったんだ」
その価値は、「バルサも十分にわかっていた」と、ガスコン記者は言う。
「その数年後に、例の問題が起きた(バルサが18歳以下の国際移籍の禁止というFIFAルールに抵触)。バルサは、タケがスペインから離れている間、彼をコントロールできていなかった。18歳になったら戻ってきてくれるだろうと、高を括っていたのかもしれない。もしあの時、退団せざるを得ない状況に追い込んだ責任を感じて、タケの心身をきちんとケアし、励まし続けていたなら、絶対に帰ってきてくれていたと思うんだ」
現在、久保の保有権はバルサの宿敵マドリーが持つが、それでもガスコン記者は、数年前にバルサのシャツを着て、特大の驚きを提供してくれた“怪物”の成長を楽しみにしているようだ。
「タケはまだ若い。この先なにがあるかわからないが、将来はビッグクラブで主役を張れる器だと、僕は信じている。そして、そのクラブがたとえマドリーであっても、一人のファンとして彼の成功を願っているよ」
取材●山本美智子
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
「その当時、たまたま知り合ったユースチームの選手の両親に、『アレビンに凄い子がいるぞ』って教えてもらってね。すぐに練習を見に行ったんだ。その子が日本人なのかスペイン人なのか、なにも知らなかった。でも、どの選手が“凄い子”かは一発でわかったよ。それはもう、スペクタクルだったね。これは、とんでもない選手になるぞって思ったし、周りの大人はみんなそう言っていた。タケは本当に怪物だったんだ」
その価値は、「バルサも十分にわかっていた」と、ガスコン記者は言う。
「その数年後に、例の問題が起きた(バルサが18歳以下の国際移籍の禁止というFIFAルールに抵触)。バルサは、タケがスペインから離れている間、彼をコントロールできていなかった。18歳になったら戻ってきてくれるだろうと、高を括っていたのかもしれない。もしあの時、退団せざるを得ない状況に追い込んだ責任を感じて、タケの心身をきちんとケアし、励まし続けていたなら、絶対に帰ってきてくれていたと思うんだ」
現在、久保の保有権はバルサの宿敵マドリーが持つが、それでもガスコン記者は、数年前にバルサのシャツを着て、特大の驚きを提供してくれた“怪物”の成長を楽しみにしているようだ。
「タケはまだ若い。この先なにがあるかわからないが、将来はビッグクラブで主役を張れる器だと、僕は信じている。そして、そのクラブがたとえマドリーであっても、一人のファンとして彼の成功を願っているよ」
取材●山本美智子
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部