クラブ間交渉はかなりの段階まで進む。
バルセロナはFWラウタロ・マルティネス(インテル/アルゼンチン代表)の獲得に向けて、本気で動いている。強化部門を担うエリック・アビダルSDとその右腕ラモン・プラネスが、昨夏に土壇場で破談になったネイマールの復帰オペレーションよりも優先しているほどだ。
インテルとのクラブ間交渉もかなりの段階まで進んできている。インテルとラウタロの現行契約には1億1100万ユーロの違約金が設定されているが、バルサはそれを上回る投資(1億2000~3000万ユーロ)も辞さない覚悟を決めている。
ラウタロ本人もバルサ移籍を強く望んでおり、クラブ間交渉さえまとまれば移籍が成立する可能性は高い。実はレアル・マドリーもラウタロに興味を示していたが、この本人の希望もあって何もできずに撤退を余儀なくされている。
インテルとのクラブ間交渉もかなりの段階まで進んできている。インテルとラウタロの現行契約には1億1100万ユーロの違約金が設定されているが、バルサはそれを上回る投資(1億2000~3000万ユーロ)も辞さない覚悟を決めている。
ラウタロ本人もバルサ移籍を強く望んでおり、クラブ間交渉さえまとまれば移籍が成立する可能性は高い。実はレアル・マドリーもラウタロに興味を示していたが、この本人の希望もあって何もできずに撤退を余儀なくされている。
ただ、交渉にはある1つの条件が設定されている。金銭+トレード要員(1~2人)の移籍形態にし、バルサが4000~5000万ユーロのキャピタルゲイン(移籍差益=現時点における選手の帳簿上の評価額と売却額の差分)を稼ぎ出せるようにする、というものだ。
具体的に挙がっている名前は、昨夏から噂に上るアルトゥーロ・ビダル(ユベントス時代に共闘したアントニオ・コンテ監督が非常に高く評価)、ネウソン・セメド(右WBはインテルの強化ポイントのひとつ)といったところ。イバン・ラキティッチはコンテがまったく評価していないため、対象外だ。
一時はアントワーヌ・グリエーズマンもトレード要員候補とされたが、バルサは獲得時に1億2000万ユーロを投じており、償却もまだ1年のため帳簿上では9000万ユーロの評価額が付いている。4000万ユーロ級のキャピタルゲインを稼ぎ出すには1億3000万ユーロで売らなければならず、実現は難しいだろう。
いずれにしても、ラウタロの移籍が実現するか否かは、インテルとバルサの双方が満足するトレード要員を選定することが鍵になっている。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年3月19日号より転載
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
具体的に挙がっている名前は、昨夏から噂に上るアルトゥーロ・ビダル(ユベントス時代に共闘したアントニオ・コンテ監督が非常に高く評価)、ネウソン・セメド(右WBはインテルの強化ポイントのひとつ)といったところ。イバン・ラキティッチはコンテがまったく評価していないため、対象外だ。
一時はアントワーヌ・グリエーズマンもトレード要員候補とされたが、バルサは獲得時に1億2000万ユーロを投じており、償却もまだ1年のため帳簿上では9000万ユーロの評価額が付いている。4000万ユーロ級のキャピタルゲインを稼ぎ出すには1億3000万ユーロで売らなければならず、実現は難しいだろう。
いずれにしても、ラウタロの移籍が実現するか否かは、インテルとバルサの双方が満足するトレード要員を選定することが鍵になっている。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年3月19日号より転載
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。