ポグバはもう要らない? マドリーを上昇気流に乗せる21歳のウルグアイ代表MFは何者か

カテゴリ:メガクラブ

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2019年11月30日

名手モドリッチから定位置を奪取

パリSG戦でも攻守に大車輪の働きを見せたバルベルデ(左)。(C)Getty Images

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 レアル・マドリーが復調の兆しを見せている。先日のパリ・サンジェルマン戦(チャンピオンズ・リーグ第5節)も、最終的に2-2の痛み分けに終わったとはいえ、後半途中までは内容で相手を完全に上回っていた。

 チームを上昇気流に乗せた立役者のひとりが、21歳のウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデだ。パリSG戦でも2点リードで彼が交代で退いた直後に、立て続けにチームは失点し、間接的にもその重要性を知らしめる結果となった。

 もともと才能は高く評価されていた。ただ、錚々たるメンバーが揃うマドリーでは存在感が薄く、また期待の若手としても、マルコ・アセンシオやダニ・セバジョス(現アーセナル)といった国産のプレーヤー、あるいはヴィニシウス・ジュニオールやロドリゴといった高額の移籍金で入団したブラジル人選手の陰に隠れていた。

 しかし、今年3月のジネディーヌ・ジダン監督の復帰を境に出場機会を増やすと、今シーズンは実力者のルカ・モドリッチを押しのけて右インサイドハーフの定位置を掴んでいる。

 前述のパリSG戦でも、右SBのダニエル・カルバハルと巧みに連携しながら、アンヘル・ディ・マリアや相手のエース、キリアン・エムバペの突破を封じ、アンカーのカゼミーロをサポート。マイボール時には持ち前の縦への推進力を発揮してフィニッシュに絡むなど、攻守に大車輪の活躍を見せた。

 このピッチ全体を攻守に幅広く動き、いたるところに顔を出すという働きは、ジダン監督がインサイドハーフの選手に求めている役割で、だからこそ今夏、指揮官はマンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバの獲得に最後まで執着していたのだ。
 
 もともとマドリーの攻撃は、セルヒオ・ラモス(左CB)、マルセロ(左SB)、トニ・クロース(左インサイドハーフ)、エデン・アザール(左ウイング)、また左サイドに流れるプレーを得意とするCFのカリム・ベンゼマと、中心選手が集中する左サイドに偏る傾向があったが、運動量豊富なバルベルデがダイナモ、あるいはバランサーとして中盤に君臨することで、右サイドにも新たな攻守の核が生まれつつある。

「信じられない思いだ。サンティアゴ・ベルナベウでプレーすることがずっと夢だった。いまはとにかく楽しみたい。そしてチームメイトのアドバイスをしっかり聞きながら、このチャンスをモノにしたい」

 本人はあくまで謙虚な姿勢を崩さないが、前人未踏のCL3連覇を果たし、燃え尽き症候群に陥っていた感のあるチームを、その若さ特有の勢いとエネルギーで見事に活性化した功績は大きい。開幕3か月余りを経て期待のホープのひとりに過ぎなかった若者は、チームの復調を牽引する中心選手へと大きな羽ばたきを見せている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
協力●下村正幸
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