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【三浦泰年の情熱地泰】ブラジル行きを決意させた「1-6」の敗戦。母校に敗れた富士市立高校イレブンの顔が浮かんだ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2019年11月25日

母校・静岡学園の選手権出場の朗報で気になったのは…

母校の静岡学園が5年ぶりの選手権出場を果たした。写真:田中研治

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ブラジルでは本格的にSOCORRO SCでの指導が始まった。1月2日からの大会に向けてトレーニングに励む。

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 高校時代のひとつ上の先輩から連絡が入り、母校の静岡学園が5年ぶりに全国高校サッカー選手権出場を果たしたという。心からおめでとうと言いたい。

 連絡をくれた先輩に、サンパウロから御礼の電話をした。先輩の声も最近、聞けていなかったが、明るい良い声であった。

 母校サッカー部を愛する卒業生はたくさんいるだろう。大きな勝利を掴んでくれた在学生たちに感謝の気持ちでいっぱいである。

 その朗報でひとつ気になったのが、決勝戦の対戦相手だ。

 富士市立高校?

 静岡の人間であれば、事実上の決勝は準決勝だったと誰もが言うのであろうが、富士が勝ち残り、決勝までやってきた。

 最近は、日本の高校サッカーから離れてもいるし、力関係は分からないが昔ではあまりあり得ない。そして気になったのはスコアだ。静岡県予選決勝で1-6である。

 このスコアを聞いて気づく人は少ないかもしれない。それは昭和58年度決勝のスコアなのだ。僕が高校3年生、最後の全国切符を懸けた大会だった。

 36年前の1983年、第62回大会。清水東との決勝戦で僕たち静岡学園は1-6で敗戦。

 僕の「野望は夢と消えた」。僕の選手権出場の夢は叶わなかった。

「1-6」というスコアを目にした時、僕には後輩の喜ぶ顔よりも負けた富士の選手たちの顔が頭に浮かんだ。彼らは果たして今後、どんな道を歩んでいくのだろうか?

 悔しさは一瞬で消え、良くやったと思い出に変わって行くのか?

 それともこの屈辱や悔しさを人生の糧にして、強く社会人として日本に貢献していく道に辿り着けるのか?

 あの日、18歳の僕は1-6の敗戦に泣き、立ち上がることができなかった。そして、その時にひとつ分かったのは、絶対に負けてはいけないということだ。

 もちろん、負けない人はいない。勝つまでやれば良いと言うことだ。当時の僕の脳みそなんて本当に幼稚だった。

 勝つか負けるか? 勝ったか負けたか?

 1-6で清水東に負けた。と同時に同期の大榎克己(清水エスパルスGM)、長谷川健太(FC東京監督)、堀池巧(順天堂大監督)に負けたと同じ。

 日本にいてもダメだ! 彼らに勝てる訳がない。彼らは身体能力的にもサッカーの部分でも天才だ! 敗戦からそう悟った僕は、ブラジルへ行くことを決意した。

 それが昭和58年度、今から36年前。そして再び、留学から34年ぶりに生活の拠点をブラジル、サンパウロに戻した。

 あの日の1-6の出来事は、今もまだ脳裏に焼き付いている。忘れてはいけない。

 僕と同じ思いをした富士の子どもたちの未来も応援したい。そして、見事に選手権出場を決めた後輩たちにも、陰ながらになるが祈る思いで遠くサンパウロからエールを贈りたい!
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