セビージャ戦でマン・オブ・ザ・マッチに
今夏に鹿島アントラーズからバルセロナBに移籍した安部裕葵が11月13日、待望の“トップデビュー”を飾った。
チャリティーマッチのカルタヘナ戦に招集され、76分からプレー。積極的にドリブルで仕掛けるなど、堂々たるプレーを見せた。
といっても、公式戦ではないし、相手はバルサBと同じカテゴリーの2部B(実質3部)のチームだ。インターナショナルウィークのため、リオネル・メッシやルイス・スアレスをはじめ主力の多くは各国代表に招集され、イバン・ラキティッチなど故障で参加しなかった選手も少なくなかった。
それでも、シーズン前の日本ツアーでは怪我によりトップチームでプレーするチャンスを逃した安部にとっては、同時にピッチに立つことはできなかったとはいえ、ジェラール・ピケやウスマンヌ・デンベレと同じチームで戦った経験は、代え難いものになったはずだ。
黄色いセカンドユニホームを着て“デビュー”を飾った安部の姿を見て、2年前に聞いたある言葉を思い出した。
チャリティーマッチのカルタヘナ戦に招集され、76分からプレー。積極的にドリブルで仕掛けるなど、堂々たるプレーを見せた。
といっても、公式戦ではないし、相手はバルサBと同じカテゴリーの2部B(実質3部)のチームだ。インターナショナルウィークのため、リオネル・メッシやルイス・スアレスをはじめ主力の多くは各国代表に招集され、イバン・ラキティッチなど故障で参加しなかった選手も少なくなかった。
それでも、シーズン前の日本ツアーでは怪我によりトップチームでプレーするチャンスを逃した安部にとっては、同時にピッチに立つことはできなかったとはいえ、ジェラール・ピケやウスマンヌ・デンベレと同じチームで戦った経験は、代え難いものになったはずだ。
黄色いセカンドユニホームを着て“デビュー”を飾った安部の姿を見て、2年前に聞いたある言葉を思い出した。
2017年7月22日。場所はカシマスタジアム。うだるような暑い日だった。
鹿島は、Jリーグワールドチャレンジでスペインの強豪セビージャと対戦。圧倒的にボールを支配されながらも、終盤に鈴木優磨(現シント=トロイデン)が2ゴールを決め、したたかに白星を手にしていた。
試合後、まだ始動しはじめたばかりのコンディションで28度という暑さのなかでのゲームを終えたセビージャの選手たちは、一同にヘトヘトだった。取材エリアでは、クレマン・ラングレ(現バルセロナ)やガンソ(現フルミネンセ)らが申し訳なさそうに、足早に立ち去るなか、ただひとり足を止めてくれたのが、セルヒオ・エスクデロだった。
スペイン代表経験もある左SBに鹿島の印象を訊くと、こんな答が返ってきた。
「アベが良かった。ドリブルがね」
当時、18歳だった安部は、62分にレオ・シルバと交代でピッチに登場すると、果敢な仕掛けで攻撃を活性化させった。72分には、伊東幸敏からの横パスを受け、ワンタッチで目の前の敵をかわすと、ゴールに向かってドリブルを開始。寄せてくるDFを軽やかにかわして、GKと1対1になると、横にいた鈴木にパスを出して先制点をお膳立てした。
この印象的なアシストにより、2ゴールの鈴木を抑えてマン・オブ・ザ・マッチに輝いた高卒ルーキーの名は、一気に全国区となったのだった。
あれから2年――。いまもセビージャでプレーするエスクデロが、あの時のティーンエージャーがバルサでトップデビューを飾ったという事実に気付いているかどうかは分からない。確かなのは、安部を褒め称えたその見立てが、間違っていなかったということだ。
文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)
鹿島は、Jリーグワールドチャレンジでスペインの強豪セビージャと対戦。圧倒的にボールを支配されながらも、終盤に鈴木優磨(現シント=トロイデン)が2ゴールを決め、したたかに白星を手にしていた。
試合後、まだ始動しはじめたばかりのコンディションで28度という暑さのなかでのゲームを終えたセビージャの選手たちは、一同にヘトヘトだった。取材エリアでは、クレマン・ラングレ(現バルセロナ)やガンソ(現フルミネンセ)らが申し訳なさそうに、足早に立ち去るなか、ただひとり足を止めてくれたのが、セルヒオ・エスクデロだった。
スペイン代表経験もある左SBに鹿島の印象を訊くと、こんな答が返ってきた。
「アベが良かった。ドリブルがね」
当時、18歳だった安部は、62分にレオ・シルバと交代でピッチに登場すると、果敢な仕掛けで攻撃を活性化させった。72分には、伊東幸敏からの横パスを受け、ワンタッチで目の前の敵をかわすと、ゴールに向かってドリブルを開始。寄せてくるDFを軽やかにかわして、GKと1対1になると、横にいた鈴木にパスを出して先制点をお膳立てした。
この印象的なアシストにより、2ゴールの鈴木を抑えてマン・オブ・ザ・マッチに輝いた高卒ルーキーの名は、一気に全国区となったのだった。
あれから2年――。いまもセビージャでプレーするエスクデロが、あの時のティーンエージャーがバルサでトップデビューを飾ったという事実に気付いているかどうかは分からない。確かなのは、安部を褒め称えたその見立てが、間違っていなかったということだ。
文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)