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メッシが好例――ラ・リーガのセカンドチームで身につけるべきものは?【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年11月11日

かつては2部でも優勝するほどの強さを

今夏にバルサBに加入した安部。レギュラーとしてプレーしている。(C)Mutsu KAWAMORI

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 スペインでは、トップチームがセカンドチーム(Bチーム)を所有し、各カテゴリーに所属している。例えば、レアル・マドリーのセカンドチームはカスティージャという呼称で、今シーズンは2部B(実質3部)でプレー。久保建英の去就をめぐっても話題になった。

 カスティージャは過去に2部でも優勝するほどの強さを誇っている。バルセロナのBチームも、2部Bに所属。安部裕葵が在籍し、2部昇格を懸けて戦っている。

 日本と違い、セカンドチームはトップチームの一つ下のカテゴリーまでは制限なく昇格できる(日本のJリーグのセカンドチームはJ3のみ)。過去には、アトレティコ・マドリーのセカンドチームが躍進し、昇格できる順位で終えたこともあった。ところが、トップチームが1部で大不振。結局、2部に降格することになって、セカンドチームも自動的に2部Bに降格する羽目になった。

 ともあれ、若い選手にとって、早い時期に大人と勝負をすることは大きな試練で、成長の糧になる。
 
 今年10月、現地でバルサB対サバデルという試合を取材したが、肉体的、精神的な差は如実に出ていた。技術的にはバルサBの選手が大きく上回り、前半から1-0でリード。しかしサバデルの選手は技術的には劣るも歴戦の強者で、コンタクトプレーでは優勢。試合が進むにつれ、若い選手が多いバルサは不利に立って、終盤10分はコーナーで打ち込まれるボクサーのようだった。

  結局、バルサBは守り切ったものの、「U―20」のような布陣で戦う難しさが出ていた。

 しかし若い選手が、こうして揉まれる中で力を身につけられるのも、事実である。

 かつてリオネル・メッシもバルサBでプレーし、活躍を示した。試合終盤、苛立った相手ディフェンスに乱暴なタックルを浴びそうになることもあったが、それをかわすだけの集中力とタフネスがあった。最終的には、相手をひれ伏させた。そして、トップでプレーする権利を得たのである。

「うまいのに、なかなか活躍できない」

 そう言われる選手は、戦闘の部分で物足りなさがあると言われる。もろさを抱えたままでは、トップレベルでは生き残れない。サッカーは90分で戦うスポーツ。消耗戦において、自らの技術を出せるか。若い選手は、いくらテクニック的にうまくても終盤に波が出てしまう。そこで力を振り絞れるかどうかに、プロ選手としての矜持はあるのだ。
 
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