なぜ、リバプールのハンドは見逃されたのか? VARを巡るプレミアリーグの公式見解は――

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2019年11月11日

当のアレクサンダー=アーノルドの主張は?

オリバー主審の横で不満げな表情を浮かべるペップ。 (C) Getty Images

画像を見る

 プレミアリーグの天王山で下されたジャッジが物議を醸している。

 現地時間11月10日に行なわれたプレミアリーグ第12節で、本拠地アンフィールドに2連覇中の王者マンチェスター・シティを迎えたリバプールは3-1で勝利し、序盤戦の大一番を制した。

 首位リバプールと4位に後退したシティの勝点差が9ポイントとなった一戦で、大きな話題を呼んでいるのが、二度に渡って起きたPKの有無を巡るVAR判定だ。

 最初はリバプールが先制する直前の5分に起きた。ペナルティーエリア内に侵入してきたシティのベルナルド・シウバの突破を食い止めようとしたトレント・アレクサンダー=アーノルドの手にボールが当たったように見えたが、VAR判定の結果、PKは与えられなかった。

 さらに試合終盤の82分にも再びリバプールのペナルティーエリア内で、ラヒーム・スターリングのパスが、アレクサンダー=アーノルドの手に当たったように見える際どいシーンが起きる。しかし、ここではVARが採用されることなく、マイケル・オリバー主審のセルフジャッジによってプレーが続行されることとなった。

 いずれの場面も激しく抗議したシティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、試合後にオリバー主審の元へ握手を求め、含みを込めたような表情で「Thank you so musch(どうもうありがとう)」と言葉を交わしている。

 なぜ、アレクサンダー=アーノルドのハンドは取られなかったのか? プレミアリーグは、VARが採用された5分のシーンについて、次のような公式見解を発表している。

「VARはアレクサンダー=アーノルドのハンドに対するPKアピールをチェックし、意図的なハンドには該当しないという主審によるピッチ上のジャッジを確認した」

 たしかに映像を振り返れば、B・シウバに当たってリバウンドしたボールが当たったため、「不自然ではない」という認識も納得がいく。

 ただ、国際サッカー評議会(IFAB)のルールでは、「攻撃側の手に当たった直後に得点につながったら、無条件にハンド」とされている。アレクサンダー=アーノルドのブロックしたボールが、そのままカウンターに繋がり、最終的にファビーニョの先制点が生まれたことを考えれば、そのプレーが得点の起点となったのだから「意図にかかわらずハンドだ」という意見もあるだろう。

 ちなみに当のアレクサンダー=アーノルドは、試合後に行なわれた英衛星放送『Sky Sports』のフラッシュインタビューで、次のようにコメントしている。

「(一回目のシーンは)僕の腕には当たったよ。でも、先にベルナルド・シウバの腕に当たっていたからね。それから僕らはピッチを突き進み、相手をこらしめたんだよ」

 今後もVARの運用方法は物議を醸すことになりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
【関連記事】
「今の立場から言わせてもらえば…」リバプールが制した“プレミア天王山”をモウリーニョとヴェンゲルはどう見た?
「クボを過保護にする必要はない」初ゴールの久保建英を、マジョルカ指揮官はどう評価した?
「最高の選手だ」「惑星レベル」ラ・リーガ初ゴールを決めた久保建英をマジョルカ地元メディアも大絶賛!
「君こそキングだ!」「未来の防衛大臣」ファン・ダイクが投稿したオランダ国王夫妻との豪華昼食会ショットが大反響!
悪童バートンがかつて「デカいドイツ人のチアリーダー」と酷評したクロップに賛辞!「この3年で最も…」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ