久保建英、ファティ、J・フェリックスは「お金を払ってでも見たい」スペクタクルなタレントだ【元マドリー指揮官のコラム】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年09月12日

フットボール界を覆っている閉塞感を打破する存在

(左から)J・フェリックス、久保、ファティ。いずれも今シーズンにリーガデビューを飾った俊英だ。(C)Getty Images

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 バルセロナのアンス・ファティがラ・リーガにフレッシュな風を吹き込んでいる。

 昨今のフットボールでは、選手たちを自らが思い描く戦術に縛ろうと躍起になっている監督連中の偏狭的な考え方が、往々にして試合を味気ないものにしている。しかし16歳の少年が見せるスピードとテクニックを駆使した大胆不敵で怖いもの知らずのプレーは、このスポーツが本来持っている醍醐味を我々に教えてくれる。

 ベティス戦、オサスナ戦で、観客はファティにボールが渡るたびに夢を抱いた。この早熟のタレントがどんなプレーを繰り出すのかワクワクしながらその一挙手一投足に注目したのだ。

 ファティだけではない。ジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリー)、マルティン・ウーデゴー(レアル・ソシエダ)、久保建英(マジョルカ)といった才気あふれる若手の台頭は、凄まじいスピードで戦術が進化するフットボールがエモーショナルな要素を取り戻すための“ビタミン剤”のような役割を果たしてくれている。
 
 多くの監督は、完璧を求めるあまり、フットボールからスペースと時間という概念を奪っている。しかし観客が、チケット代を払ってもお釣りがくると感じる、すなわちフットボールにスペクタクルを抱くのは、そうした戦術的な縛りとは相反するリスクを顧みないプレーを選手たちが披露した時だ。

 前述した有望株たちはまさにそういった価値のあるタレントであり、昨今のフットボール界を覆っている閉塞感を壊し、そしてチームを勝利に導く「希望の星」でもあるのだ。

文●ホルヘ・バルダーノ
翻訳:下村正幸

【著者プロフィール】
ホルヘ・バルダーノ/1955年10月4日、アルゼンチンのロス・パレハス生まれ。現役時代はストライカーとして活躍し、73年にニューウェルズでプロデビューを飾ると、75年にアラベスへ移籍。79~84年までプレーしたサラゴサでの活躍が認められ、84年にはレアル・マドリーへ入団。87年に現役を引退するまでプレーし、ラ・リーガ制覇とUEFAカップ優勝を2度ずつ成し遂げた。75年にデビューを飾ったアルゼンチン代表では、2度のW杯(82年と86年)に出場し、86年のメキシコ大会では優勝に貢献。現役引退後は、テネリフェ、マドリー、バレンシアの監督を歴任。その後はマドリーのSDや副会長を務めた。現在は、『エル・パイス』紙でコラムを執筆しているほか、解説者としても人気を博している。

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙に掲載されたバルダーノ氏のコラムを翻訳配信しています。
 

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