夏場にまさかの失速…3連覇を目指す川崎の逆転優勝への鍵は?

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2019年08月24日

守備の改善とともに臨機応変に戦いたい

直近の23節の仙台戦は粘って2-2のドローに持ち込んだ。もうここからはひとつも取りこぼせない。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 史上2チーム目のリーグ3連覇を目指す川崎が夏場を迎え、調子を落としている。7月末からの4連戦は2分2敗と苦戦。首位を走るFC東京との勝点差は23節終了時点で8ポイントあり、3位に甘んじている。果たして王者はここから巻き返すことができるのか?
 
―――◆―――◆―――
 
 ACLではグループステージ敗退の屈辱を味わうも、リーグ戦は19試合を終えてわずか1敗。王者は3連覇へ向けて順調に歩んでいるはずだった。しかし、得意なはずの夏場にまさかの失速を見せているのだ。
 
 ACLの日程の都合上、7月31日に行なわれた16節の広島戦を今季初の3失点(2-3)で落とすと、続く21節の松本戦は相手の守備を崩せずにスコアレスドロー。22節の名古屋戦は0-3の完敗で、23節の仙台戦は2-2で勝ち切れず、4試合で勝点2しか積み上げられなかったのだ。
 
 広島戦と名古屋戦では、以前から苦手としていたセットプレーの流れで先制点を奪われ、さらに前からのプレスがはまらず、相手の攻撃をダイレクトに受けてしまった。鬼木達監督のサッカーはパススタイルを基本としつつ、トランジションの速さが真骨頂で、攻守の切り替えをスムーズに行なうことで、ボールを奪われても即座に回収し、相手を自陣に押し込む。もしくは前から勢いよくプレスし、ショートカウンターを狙う。ただ、前述の2試合では、前からの守備で的を絞れず、攻撃でもミスが重なって苦戦。川崎のパスワークやプレッシングを潰す対策を各チームが講じてきているだけに、どう柔軟に対応できるかが今後の鍵となるだろう。
 
 好例を挙げるなら3-1で快勝した20節の大分戦(7月27日)だ。相手の巧みなビルドアップに対し、前から守備をハメられなかったが、前半途中の飲水タイムで修正。状況によっては自陣に守備ブロックを敷き、ゲームの流れを掴んだ。こうした臨機応変さを今後も見せられるか。
 
 また自慢の攻撃陣のパフォーマンスに波があるのも不安だ。夏場の連戦を乗り切るため、鬼木監督は主に前線と中盤でターンオーバーを活用しているが、19節のFC東京戦のように、攻守でハマった試合では圧巻の強さを示すも、22節の名古屋戦のようにそれが裏目に出た試合もある(ウォーミングアップ中に先発予定の大島僚太が負傷し、代役を担うはずの下田北斗は次戦を考慮してメンバー外としていた)。ルヴァンカップ、天皇杯を含めた3冠も狙うだけに、効果的なローテーションを取り入れたいが、質を落とさないためにも、最適な組み合わせをより模索する必要もあるだろう。
 
 キーポイントになるのはレアンドロ・ダミアンの活用法か。最近はジョーカーとしての起用が増えており、エースの小林悠とのコンビネーションも徐々に向上。シーズン終盤は1点を争う試合も増えるだけに、元セレソンの決定力には期待したい。
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