[インターハイ準決勝] 富山一１−０尚志／７月31日／吉の浦公園ごさまる陸上競技場
 
　夏も終盤に差し掛かる７月31日、沖縄県でインターハイ（全国高校総体）の準決勝が開催され、富山一（富山）が尚志（福島）を下し、初の決勝戦へ駒を進めた。
 
　準決勝突破へ導く、値千金の決勝弾を決めたのはMF小森登生（３年）だ。後半28分、２トップの一角、鈴木崚加（３年）が左サイドからグラウンダーの鋭いクロスを送る。これを受けた小森は、少しトラップが乱れて宙に浮いたものの、２タッチ目でしっかりと足の甲で捉え、ゴール左に強烈なシュートを突き刺した。
 
　実はその前にも似たようなシーンがあり、鈴木からのクロスを小森がシュートに持ち込むもキーパーに止められるシーンがあった。この反省を直後の飲水タイムで修正したと小森は話す。
 
「練習で必ず逆サイドのシャドーがクロスに入っていくという練習は今までたくさんしてきたんで、そこに入って点数を決めるということをイメージしていました。１本目のシュートはちょっと力んで、足にちゃんと当たらなかったんで、２本目は力強くしっかり足に当てることを意識しました」
 
　鈴木から小森。実はこのふたりはいとこ同士。昔からともにサッカーで汗を流した仲だという。お互いを知り尽くし、信頼しているからこそ生まれたゴールだ。
 
「自主練とかでも一緒にやったりとかするんで、分かり合ってる部分があります。連係もよく取れたと思います」
 
　決勝の相手は、前回大会に続いて２回目のファイナル進出を果たした神奈川の桐光学園だ。昨年準優勝に終わった悔しさを晴らすため、相当な意気込みで臨んでくることは間違いない。
 
「準優勝と優勝はかなり違うと思うんで、明日までに最高の準備をして、全力で戦いたいと思います」
 
　大会も残すところ、あと１試合。富山一の “いとこ同士のホットライン”開通はなるか。明日、2019年度インターハイの頂点がいよいよ決まる。
 
取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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