【FC東京×横浜|戦評】首位攻防戦の行方を大きく左右した一撃。そして最大の勝因は…

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2019年06月30日

横浜にも勝つチャンスはあったが

FC東京と横浜の首位攻防戦は、FC東京に軍配。キャプテンの東は気迫溢れるプレーでチームを鼓舞した。写真:サッカーダイジェスト

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J117]FC東京4-2横浜/6月29日/味の素スタジアム
 
 横浜にも勝つチャンスはあった。事実、試合序盤はリーグで連敗中のFC東京をサイド攻撃で揺さぶり、15分には右ウイングの仲川のチャンスメイクからマルコス・ジュニオールが先制し、勢いを感じさせた。
 
 しかし、その2分後、ナ・サンホのシュートをGKの朴がファンブルするような形で失点。結果的にこれが試合の行方を大きく左右する要因のひとつになった。
 
 「ナ・サンホのゴールが個人的には大きかったと思っている」とは永井のコメントだ。そして森重も「あそこで追いつけて落ち着きを取り戻せた」と話している。FC東京の2選手が同じような手応えを掴んでいるのだから、ナ・サンホの同点弾の価値は極めて高かった。
 
 実際、ここから試合はFC東京ペースとなっていった。横浜にあえてボールを持たせておいて、エリア内に近づいてきたら森重とチャン・ヒョンスの両CBを軸に潰す。そして奪ったボールを速攻につなげるという戦い方がハマっていったのである。
 
 横浜の敗因をひとつ挙げるなら、最終ラインを高く設定したこと。もちろんそれが横浜の特徴でもあるのだが、速攻が得意なFC東京との相性は最悪に近かった。2~4失点目でいずれも決定的な仕事をしていたのが“スピードスター”の永井だったという点は見逃せない。最終ラインの裏のスペースに抜群のタイミングで飛び出す永井に対して上手く対応できず、後手に回った結果、あっさりと失点を重ねていったのだ。
 
 1-1となってからFC東京の速攻が効いてきたという意味でも、ナ・サンホのゴールは試合の流れを変える大きなターニングポイントになった。
 
 
 ボランチの出来も勝負を分けた要因と言えるだろう。FC東京の橋本と髙萩が攻守をつなぐ潤滑油として十分機能していたのに対し、喜田と天野はとりわけ守備面でスペースを与えすぎた。立ち上がりこそ正確なキックで局面を動かした天野も時間の経過とともに効果的なプレーが少なくなり、リスクマネジメントにおいてはかなり厳しいように映った。守備面で喜田や天野がフィルター役を高いレベルでこなしていれば、あんな容易に崩されなかったかもしれない。
 
 首位攻防戦に相応しいバトルかと言えばそうではなかった気がする。FC東京の勝負強さが光り(シュート7本で4得点は素晴らしい)、横浜は期待外れに終わった印象だ。
 
 目に焼き付いているのは、開始直後から横浜に激しいプレッシャーをかけた東と、対峙した遠藤を威嚇するようなタックルで潰した室屋の気迫。このふたりに代表されるように、この日のFC東京は「建英を気持ちよく送り出したい」(東)という気持ちもあってか、選手全員が熱い魂を見せてくれた。横浜にはいまひとつ感じられなかった、闘志あふれる戦いぶりこそが最大の勝因だったように思う。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
 

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