カリスマは豪州に何を遺したのか? 「伝道師」本田圭佑のラストメッセージ【現地発レポ】

カテゴリ:海外日本人

植松久隆

2019年06月01日

本田のラストマッチは、ふたりのレジェンドの最後の舞台でもあった。

本田は最後まで己のスタイルを貫き、オーストラリアを去って行った。(C)Getty Images

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 本田圭佑は、すでにメルボルンの地を去った。
 
 27日、筆者はメルボルンに住む友人からメッセージを受け取った。何やらリンクが貼ってある。
 
 そのリンク先に飛んでみると、そこはC to Cのオンライン・ショッピング大手eBayのページで、本人そっくりの「本田圭佑フィギュア」がオークションに掛けられているではないか。30センチサイズの本人サイン入りフィギュアは、オークション開始価格300ドル(約2万4千円)で出品されていたが、驚きはその出品者。なんと「メルボルン・ビクトリー公式ショッピングサイト」とある。
 
 ケビン・マスカット監督の退任、マーキーの本田も去ったビクトリーは、25日の夜、今季の最後の公式行事であるクラブの納会兼表彰式にあたる「メルボルン・ビクトリー・メダル」を終えた時点で、完全に来季に向けての新体制で動き出した。来季を戦うチームを作り上げる時、去りゆく選手への過度のセンチメンタリズムは必要ない。さっそくの在庫処分、しかも非売品のグッズをクラブ自らとは何とも思い切ったやり方だが、こういう姿勢も去る者は追わずのフットボール界の常なのであろう。
 

 25日の夜のビクトリー・メダルは、「メルボルン・ビクトリーの本田圭佑」としての最後の公式行事でもあった。その日の本田の装いは、公式インスタグラムを見る限りは、その手の会合には少しカジュアルかなというベージュ色のスーツの上下のノーネクタイ姿。その日の表彰では、特に個人表彰はされなかったが、選手や関係者との最後の時間をリラックスした雰囲気の中で楽しんだに違いない。
 
 筆者は、22日、本田の豪州最後の勇姿を見届けよう、そして、あわよくば生の声を拾おうと、ビクトリーの今季最後の公式戦であるACLサンフレッチェ広島戦に足を運んだ。ビクトリーの本拠地AAMIスタジアムは、すでに敗退の決まった平日の夜のACLの試合ということで、予想通りガラガラだった。この試合は、ビクトリーのAリーグ参戦以来、選手、キャプテン、アシスタント・コーチ、監督としてクラブに関わり続けてきた唯一無二の存在であるケビン・マスカット監督、そして、キャプテンとしてチームの精神的支柱であったカール・ヴァレリというふたりのレジェンドの最後の舞台だっただけに、この観客数はあまりに寂しい。
 

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