【U-20W杯】理想は“ベイルコース”。日本の左サイドバックはこんなもんじゃない!

カテゴリ:国際大会

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2019年05月29日

もちろん、攻撃は好き。サッカー選手なら誰でもそう。

左サイドバックの東が攻撃で違いを見せられるか期待だ。(C)SOCCER DIGEST

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 初戦のエクアドル戦、左サイドバックで先発した東俊希は、劣勢のゲームに苦しんだ。それでも1対1で相手に食らいつき奮闘したが、守勢に回って振り回された印象のほうが強い。

「前半はみんなが言う通りひどい試合になった。メキシコ戦では自分は出ていないですけど、ああやって前半から落ち着いて相手が嫌がることをしたり、積極的なプレーで日本らしく戦えた試合を見れたので、明日のイタリア戦でまたもう一回その試合をするだけです」

 東はエクアドル戦をそう言って振り返り、ベンチで見守った第2戦のメキシコ戦からヒントを得たようだった。イタリア戦に向けては「メキシコ戦は出ていないので、その分、身体は回復できましたし、明日出るならしっかり万全のコンディションでできる状態」と準備はできている。

 そして、個人としてもイタリア戦のプレーイメージを膨らませている。

「イタリアは守備が堅いチームなので、なかなか崩せない状況が多いかもしれないですけど、一発のミドルシュートだったり、そのスペースとかだったりは空いていると思うので、自分の特徴であるキックとかで相手の守備陣を崩したいなと思います」

 まさにその通りである。サンフレッチェ広島担当記者として、正直にもどかしい想いを伝えた。「ACLメルボルン・ビクトリー戦のプロ初得点のような、もっと攻撃面の良さを見たい」と。広島では3-4-2-1のシャドーまたは左ウイングバック、一方でU-20代表では左サイドバックで使われており、求められる役割が違うことも理解した上で、だ。
 
「自分はもともと攻撃的な選手なので、攻撃の部分で自分を出したいと思っているんですけど、やっぱりサイドバックなので守備も絶対にやらないといけない。守備の時間もあると思うので、両方できる、両方強い、プレーヤーになっていければ、さらに上に行けると思うので、守備もしっかりやりながら攻撃もしっかり出したいと思います」
 
 U-20代表ではポジション柄、守備の時間が長くなるのは仕方がない。ただ、攻撃に転じれば、正確かつ強烈な左足キックで、アシストもゴールもできる。U-19アジア選手権ではインドネシア戦でパンチ力抜群のミドルシュートを突き刺し、その実力を証明した。

 確認のために「攻撃は好きか」と聞いた。

「もちろん。たぶん、サッカー選手は誰でもそうじゃないですか」

 守備はしなければならない。それはどのチーム、ポジションでも同じだ。そのうえで、攻撃でも良さを出せれば、自然とボールは集まるだろう。そして、ワールドカップという大舞台で、高精度のキックで格の違いを見せられれば、左サイドバックにとどまらず、攻撃的な選手として前線で起用される選択肢も出てくるかもしれない。
 
 そこで、ふと思い出した選手がいる。

 レアル・マドリーのガレス・ベイルだ。今でこそアタッカーの印象が強いが、かつては左サイドバックでプレーし、トッテナムでは背番号3を背負っていた時期もある。

 あくまで個人的な見解ではあるものの、東も今は左サイドバックだが、ベイルのように攻撃で格の違いを見せて、アタッカーとして定着してほしいと思っている。
 
 守備が堅いイタリアに、通用するか。攻撃面に着目して東のプレーを期待して見守りたい。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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