【鹿島|戦評】「噛み合わなくても勝つのが鹿島」が完封負け。点と点が線にならず…

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年04月25日

横パスも乱れてタッチラインを割る始末

勝てばグループステージ突破の可能性もあったホーム慶南戦で、手痛い完封負け。安部や山口、伊藤らを投入した交代策も実らなかった。写真:滝川敏之

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[ACL4節]鹿島0-1慶南/4月24日/カシマ
 
 あまりにもセーフティに行き過ぎた。その結果、前にかける迫力に加え、状況を変えるようなチャレンジのプレーも不足。敗因を挙げるとしたら、そんなところだろうか。
 
 勝てばグループステージ突破の可能性もあったホームでの慶南戦で、鹿島は0-1の手痛い完封負けを喫した。
 
 犬飼智也、町田浩樹というレギュラー格のCBふたりを出場停止で欠いていたのは痛かった。4バックの中央には、CBのプレー経験もあるが本職はボランチの三竿健斗と、この試合がプロデビュー戦となる関川郁万がコンビを組んだ。
 
 不安がないとは言い切れなかったはずだ。ボランチの名古新太郎は「できるだけ自分と(ボランチの永木)亮太君で、真ん中のスペースを空けないように。あとは攻撃している時のリスクマネジメント」を意識してプレーしていたという。
 
 そのスタンスが悪いとは思わない。重心がやや低くても、失点を与えなければ負けることはない。相手にボールを持たれても、締めるところは締めて、焦れずにゲームを進めながら、ワンチャンスをモノにして勝利を掴む――試合巧者の鹿島らしい勝ちパターンのひとつとも言えるが、しかし“攻撃のスイッチ”をなかなか押せずにいた印象だ。
 
 個々のイージーなミスも目についた。すぐ近くにいる味方への横パスも乱れてタッチラインを割る始末。思うように意思疎通ができていない。「後ろのつなぎの時点であれだけミスしていると、チャンスを作る以前の問題。今日はちょっとクオリティが足りていなかったのかもしれない」と、伊藤翔は少々、手厳しく試合を振り返る。
 
 その伊藤はこの日、79分からの途中出場だったが、ベンチに座りながら、チームメイトたちの戦いぶりをこう見ていた。
 
「もっと間にボールを付けたりとか、でもそこでもらいたがらないというか。受け手は良いところにいるけど、出し手がそこを見られていない。その逆もしかり。ボールを持っている人は“ここに入ってきてほしい”と思っているけど、なかなか入ってきれくれないとか」
 
 それでも、経験豊富な遠藤康は懸命にスペースを見つけては、そこに顔を出してパスを引き出し、攻撃の突破口を探ろうとしていたように見えたが、全体的に動きが少なく、攻撃が手詰まりになる。伊藤が指摘するように、ミスも重なり、効果的かつスムーズなボールの出し入れが少なく、リズムを生み出せなかった。

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