総合的に見れば6対4、あるいは7対3で…。
現地時間4月10日に、チャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝の第1レグ、マンチェスター・ユナイテッド対バルセロナが開催される。
この注目の一戦を、『ワールドサッカーダイジェスト』誌でお馴染みの現役イタリア人監督、ロベルト・ロッシ氏が鋭く分析。「戦術的ポイント」と「見どころ」を徹底的に解説してもらった。
――◆―――◆――
【試合の見どころ】
・ユナイテッドの“反発力”
・ポグバら鍵となる選手が違いを作れるか
途中就任したオレ・グンナー・スールシャール監督の下、ジョゼ・モウリーニョ体制下の混乱が収まり、チームに結束と安定性がもたらされたユナイテッド。パリ・サンジェルマンをラスト10分で逆転してのベスト8進出は、その勢いに拍車をかける役割を果たした。
とはいえ、戦力的にもチームとしての完成度でも、バルセロナの方が一枚上手であることもまた確か。総合的に見れば6対4、あるいは7対3でバルサが有利という予想になるところだ。
そのバルサの最大の懸念は、代表ウイークにグロインペイン症候群(鼠径部周辺部痛)が再発したリオネル・メッシをはじめ、足首を痛めていたルイス・スアレスや、長期離脱から復帰したばかりのウスマンヌ・デンベレなど主力のコンディションだ。とはいえ、メッシとスアレスは直近2試合でいずれも鮮やかなゴールを奪っており、心配はなさそうだ。
この注目の一戦を、『ワールドサッカーダイジェスト』誌でお馴染みの現役イタリア人監督、ロベルト・ロッシ氏が鋭く分析。「戦術的ポイント」と「見どころ」を徹底的に解説してもらった。
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【試合の見どころ】
・ユナイテッドの“反発力”
・ポグバら鍵となる選手が違いを作れるか
途中就任したオレ・グンナー・スールシャール監督の下、ジョゼ・モウリーニョ体制下の混乱が収まり、チームに結束と安定性がもたらされたユナイテッド。パリ・サンジェルマンをラスト10分で逆転してのベスト8進出は、その勢いに拍車をかける役割を果たした。
とはいえ、戦力的にもチームとしての完成度でも、バルセロナの方が一枚上手であることもまた確か。総合的に見れば6対4、あるいは7対3でバルサが有利という予想になるところだ。
そのバルサの最大の懸念は、代表ウイークにグロインペイン症候群(鼠径部周辺部痛)が再発したリオネル・メッシをはじめ、足首を痛めていたルイス・スアレスや、長期離脱から復帰したばかりのウスマンヌ・デンベレなど主力のコンディションだ。とはいえ、メッシとスアレスは直近2試合でいずれも鮮やかなゴールを奪っており、心配はなさそうだ。
試合は、バルサがポゼッションで主導権を握り、ユナイテッドがカウンターで逆襲の機会をうかがう展開になるだろう。
ユナイテッドは指揮官交代後、こうした受動的な展開のゲームでも、相手の攻撃をしっかり受け止めて耐え、限られたチャンスを活かし、あるいは特定の時間帯に一気に攻勢に転じる反発力の強さを取り戻した。それがもたらしたパリSG戦の逆転勝利は、チームにさらなる自信を与えたはずだ。
ユナイテッドに勝機があるとすれば、そのパリSG戦と同じように相手のミスに乗じて試合の流れを引き寄せる展開になったときだろう。
鍵はポール・ポグバ、ロメル・ルカクといったキープレーヤーが個人能力を発揮できるかどうか。もし彼らが決定的な違いを作り出し、ホームでの第1レグを引き分け以上の結果で乗り切ることができれば、敵地でアウェーゴールの有利を活かし、アップセットを起こすことも不可能ではない。
分析者:ロベルト・ロッシ
Roberto ROSSI/1962年3月16日生まれのイタリア人監督。MFだった現役時代は、チェゼーナの育成部門でアリーゴ・サッキ(元イタリア代表監督)に、ヴェネツィアではアルベルト・ザッケローニ(元日本代表監督)に師事。99年に引退し、01~08年はラツィオやインテルなどでザッケローニのスタッフ(コーチ兼スカウト)を務める。その後は独り 立ちして下部リーグの監督を歴任。19年1月からチェゼーナ女子(セリエB)を率いる。
翻訳:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年4月18日号から転載。
ユナイテッドは指揮官交代後、こうした受動的な展開のゲームでも、相手の攻撃をしっかり受け止めて耐え、限られたチャンスを活かし、あるいは特定の時間帯に一気に攻勢に転じる反発力の強さを取り戻した。それがもたらしたパリSG戦の逆転勝利は、チームにさらなる自信を与えたはずだ。
ユナイテッドに勝機があるとすれば、そのパリSG戦と同じように相手のミスに乗じて試合の流れを引き寄せる展開になったときだろう。
鍵はポール・ポグバ、ロメル・ルカクといったキープレーヤーが個人能力を発揮できるかどうか。もし彼らが決定的な違いを作り出し、ホームでの第1レグを引き分け以上の結果で乗り切ることができれば、敵地でアウェーゴールの有利を活かし、アップセットを起こすことも不可能ではない。
分析者:ロベルト・ロッシ
Roberto ROSSI/1962年3月16日生まれのイタリア人監督。MFだった現役時代は、チェゼーナの育成部門でアリーゴ・サッキ(元イタリア代表監督)に、ヴェネツィアではアルベルト・ザッケローニ(元日本代表監督)に師事。99年に引退し、01~08年はラツィオやインテルなどでザッケローニのスタッフ(コーチ兼スカウト)を務める。その後は独り 立ちして下部リーグの監督を歴任。19年1月からチェゼーナ女子(セリエB)を率いる。
翻訳:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年4月18日号から転載。