手応えは掴んだが、納得はしていない
[J1第3節]横浜2-2川崎/3月10日/日産ス
後半が始まる前、ハーフタイムにアップしていた川崎の控え組がピッチを後にする。入れ替わるように、白のアウェーユニホームを着た選手たちが徐々に出てくる。その中のひとり、川崎の背番号25は、タッチライン近くで、この日はベンチスタートだったクラブのレジェンドとしばし、言葉をかわす。
「相手の動かし方やボールの動かし方、自分たちの守備のやり方っていうのを、どうやって決めていくかを話し合っていました」
ジャージに身を包んだ中村憲剛に声をかけたのは、田中碧のほうだった。試合直前、先発予定だった大島僚太が左足に違和感を覚えて欠場となり、急きょ、出番が回ってきた20歳のMFは、「相手にけっこう自由にボールを持たれていた部分があったので、自分たちがどういうふうにするかを整理しながらプレーしていました」と前半を振り返り、中村に助言を求めたようだ。
「自分の意見も含めて、いろんな意見をもらったほうがチームとして良くなると思うので。そういった意味で、憲剛さんに聞いていました」
記者席から見ると、身振り手振りを交えて中村に話しかける田中の姿があった。自分の考えをぶつけながら、先達の意見も取り入れて、プレーの修正を試みる。貪欲な向上心が伝わってくるワンシーンだった。
1-1で迎えた後半、一時はつきはなす展開も、ラストワンプレーでセットプレーから失点を喫し、2-2のドローに持ち込まれる。
フル出場した田中は試合を通じて、間違いなく攻守にハイパフォーマンスを見せていた。本人も少なからず手応えを掴んではいたようだが、しかし納得はしていない。
無限のポテンシャルを秘めた男は、視線を落としたまま、静かに言葉を絞り出す。
「最終的に引き分けになってしまったのは、自分のせいなので。正直、今日はそこしかないというか。この結果が、自分の中では反省です。次はこうならないようにしなければいけないですし、しっかりと取り返さないといけない」
この責任感の強さも、さらなる成長を促す糧になるはずだ。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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【横浜2-2川崎 PHOTO】ドラマは最後に待っていた!横浜が土壇場での同点弾!王者川崎はまさかの3戦未勝利…
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「相手の動かし方やボールの動かし方、自分たちの守備のやり方っていうのを、どうやって決めていくかを話し合っていました」
ジャージに身を包んだ中村憲剛に声をかけたのは、田中碧のほうだった。試合直前、先発予定だった大島僚太が左足に違和感を覚えて欠場となり、急きょ、出番が回ってきた20歳のMFは、「相手にけっこう自由にボールを持たれていた部分があったので、自分たちがどういうふうにするかを整理しながらプレーしていました」と前半を振り返り、中村に助言を求めたようだ。
「自分の意見も含めて、いろんな意見をもらったほうがチームとして良くなると思うので。そういった意味で、憲剛さんに聞いていました」
記者席から見ると、身振り手振りを交えて中村に話しかける田中の姿があった。自分の考えをぶつけながら、先達の意見も取り入れて、プレーの修正を試みる。貪欲な向上心が伝わってくるワンシーンだった。
1-1で迎えた後半、一時はつきはなす展開も、ラストワンプレーでセットプレーから失点を喫し、2-2のドローに持ち込まれる。
フル出場した田中は試合を通じて、間違いなく攻守にハイパフォーマンスを見せていた。本人も少なからず手応えを掴んではいたようだが、しかし納得はしていない。
無限のポテンシャルを秘めた男は、視線を落としたまま、静かに言葉を絞り出す。
「最終的に引き分けになってしまったのは、自分のせいなので。正直、今日はそこしかないというか。この結果が、自分の中では反省です。次はこうならないようにしなければいけないですし、しっかりと取り返さないといけない」
この責任感の強さも、さらなる成長を促す糧になるはずだ。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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