3.11を越えて サッカーで福島にポジティブを

カテゴリ:特集

サッカーダイジェストWeb編集部

2019年03月11日

農作物の風評払しょくのために

福島ユナイテッドFCの竹鼻快GMは2012年に福島へ。翌年より現職を務める。

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J3で戦う福島ユナイテッドFC。世代別日本代表にも名を連ねた茂木弘人(7番)も2018年シーズンで引退するなど、チームは若返りを図っている。

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 2011年3月11日、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により、福島県をホームタウンとする福島ユナイテッドFCは活動休止を余儀なくされた。だが、福島の励みになれるようにとピッチに戻り、福島の人々の思いを胸にプレーしてきた。

 チームが体現する価値のひとつに、原発事故に伴う福島県産品への風評の払しょくを掲げる福島ユナイテッドFCは、特産品の桃やりんごを選手が育てるなど、ユニークな活動を行っている。クラブGMを務める竹鼻快氏に話を聞いた。

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 2011年の震災後、復興への道のりを福島の人たちとともに歩んできた福島ユナイテッドFC。竹鼻GMは、チームの存在意義をこう語る。

「福島の人たちに『ユナイテッドがあって良かった』と思ってもらうことがチームにとって非常に大事なことであり、それには、経済効果、風評の払しょく、そして、サッカーという最高のエンターテインメントを楽しんでもらうことの3つがあります。これをチーム全体で共有しています」

 2017年12月、福島ユナイテッドFCはアスリートの社会貢献活動を表彰する『HEROs AWARD 2017』のチーム・リーグ部門を受賞。東日本大震災による農作物の風評払しょく活動が評価された。2013年より、アウェイゲームの試合会場で福島県観光のPRを行ない、翌年より福島県産の野菜や果物、ジュースやジャムなどの加工品をチームで仕入れ、アウェイ会場で販売する『ふくしマルシェ』を開始。また、選手やスタッフが農園に出かけ、りんごや桃の生育・販売もスタートさせ、2018年にはお米の栽培も始めた。

「私たちは常に私たちの街にどう役立てるかを考えています。福島市や福島県の人々がどのような課題を抱えているのか。震災と原発事故が起きた2011年には、福島に住む人々でさえも、福島で作られたものの購入をためらうことがありました。今でも、輸入規制の残る国があります」と竹鼻は言う。

 農林水産省によると、原発事故後、54ヶ国・地域が日本産食品の輸入規制を導入。そして、震災から8年になろうとする今も、25ヶ国・地域が輸入規制を継続し、台湾や中国、韓国など8ヶ国・地域は福島県産品の輸入を一部停止している。
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