百聞は一見に如かず――米子北の大型レフティがJクラブの練習で味わった絶望の先の風景

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

2019年03月04日

「代表よりも全然レベルが高くて、自分が通用する部分は...」(髙橋)

今年の高校サッカー界で注目される逸材の高橋。左利きの大型CBとして期待値は高い。(C)SOCCER DIGEST

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 高体連に所属する選手の多くはプロ入りを勝ち取る際に、クラブの練習に参加する。2、3日の場合もあれば、1週間以上の長期に渡る時も多い。その時期は最終学年を迎えてからがほとんど。とりわけ、Jリーグ開幕前のキャンプでは様々なプレーヤーに声が掛かる。
 
 もちろん、練習に参加したからと言って、全員に内定のチケットが渡されるわけではない。ふるいに掛けられ、認められた者のみが契約を結ぶ。その一方で勝ち取れなかった選手はその他のクラブのトレーニングに赴くか、大学進学を視野に入れていくしかない。

 ただ、合否にかかわらず、練習へ参加することはプロのレベルを知る機会となる。ある者は手応えを掴み、ある者は上のステージで戦う自信を失う。中には絶望する高校生もいるだろう。いくら評価をされていても、自身の立ち位置は練習に参加しないと分からない。まさに百聞は一見に如かずだ。
 
 激しい競争が繰り広げられるなか、米子北には2年次にプロの練習に参加した逸材がいる。昨年度にU-17代表を経験した高橋祐翔(2年)だ。188センチの大型レフティは中学までFWを務めていたが、高校進学とともにボランチへ転向。そして、2年次にはさらにポジションを下げ、CBとして新たなチャレンジをスタートさせた。
 
 左利きで高身長。その素材はJクラブの目に留まり、昨秋に山口の練習に参加した。だが、そこで味わったのは、現時点でプロの選手に自分のプレーがまったく通用しなかった絶望感だ。
 
「(昨年の10月にU-17)代表に初めて選ばれた経験もあったので、少しは引かずにやろうと思っていた。でも入ってみたら、代表よりも全然レベルが高くて、自分が通用する部分はひとつもなかったので、プロは厳しいなと実感した」(高橋)
 
 これまでは高校生が相手だったため、高さを生かしたプレーをしていれば、完敗する場面はほぼない。だからこそ、山口での経験は強烈であり、高橋の意識を変えるきっかけとなった。
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