【横浜】中澤佑二は“太陽”のような存在――「心に穴が空いた」喜田拓也の心境は?

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年01月10日

「そこにいるだけでチームを明るくさせてくれる存在」

中澤の引退について、喜田はその決断を尊重する一方で、「寂しさはある」と語る。写真:徳原隆元

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 新たなシーズンを迎える前の心境として、様々な想いを口にした喜田拓也は、次のようなことも言った。
 
「なによりも、“大きな存在”がいなくなってしまったので」
 
 大きな存在――先日、20年間のプロキャリアに終止符を打った中澤佑二のことだ。横浜では2002年から17シーズンに渡り、チームの精神的支柱として活躍した日本が誇る偉大なフットボーラーである。
 
 13年にユースから昇格し、プロになった喜田にとっても、まさに大きな存在だった。
 
「佑二さんがどう思っているかは分からないですけど、かわいがってもらったとは思っています。自分がプロ1年目の右も左も分からない時でも、たくさん声をかけてくれたし、イジってくれたりして。それこそ、“キー坊、キー坊”って。生活面でも、サッカー面でも、考え方でも、いろんな影響を受けました。尊敬しています」
 
 引退の知らせを聞いた時は、「正直、信じたくなかったし、受け入れきれない部分もあった」。まだまだ中澤から学びたかった。一緒に戦いたかった。もちろん、「佑二さんも相当に考えて出した結論だと思う」と、中澤の決断は尊重する。それでも――「寂しさはある。心に穴が空いたような気持ちになった」。
 
 中澤は喜田に対してだけでなく、たくさんの若い選手たちに自ら歩みより、チームに溶け込ませていたという。
 
「練習でもずっと声を出している。太陽じゃないけど、そこにいるだけでチームを明るくさせてくれる存在でもあった」
 
 代えの利かない“支柱”を失った横浜だが、だからこそ新たにチームを力強く支える存在が必要だ。トリコロール一筋の喜田は、そのひとりでもある。
 
「新しく入ってきてくれた人たちも、覚悟を持ってきてくれていると思う。みんなで頑張っていくつもりではいるけど、そのなかでも、誰かが引っ張っていかなければいけない。その意味では、(栗原)勇蔵さんだったり、(飯倉)大樹くんや、(天野)純くんもそうだし、そういう人たちと一緒に中心になって、やっていかないといけない。その気持ちはもちろん、持っています」
 
 ひとつの時代が終わり、新たな時代が始まる。その第一歩を踏み出した横浜において、喜田にかけられる期待は間違いなく大きいはずだ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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