【選手権】青森山田、秘密兵器の正体は…大津完封に貢献した黒子役は何者か?

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2019年01月03日

相手キーマンへの縦パスのコースを切り、セカンドボールをひたすら拾う

黒子役として無失点に貢献した青森山田の澤田。ロングスローも大きな武器だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[高校選手権・2回戦]青森山田3-0大津/1月3日/等々力
 
 あれは、誰だ……。策士は、トーナメントに備えて、新たな選手を用意していた。
 
 第97回全国高校サッカー選手権大会は3日に3回戦を行ない、青森山田(青森)は3-0で大津(熊本)を破り、ベスト8に進出した。立ち上がりにセットプレーで先制できたことが大きな勝因だが、攻撃力が自慢の大津を無失点に抑えたことも重要な一面だった。打たれたシュート数は、わずかに4本。前半は、ゼロに抑えた。
 
 この無失点勝利にひと役買ったのが、青森山田のMF澤田貴史(3年)だ。チームの主戦場である高円宮杯U-18プレミアリーグEASTでは優勝の可能性がなくなり、主力を外して戦力の底上げを図った最終節しか出場していない。先発に起用されたのは、今大会からという秘密兵器。高校サッカー界きっての策士として知られる黒田剛監督が密かに用意した黒子役だ。
 
 これまで、2人のセンターバックの前には、展開力のあるMF天笠泰輝(3年)がアンカーとしてドンと構えていたが、今大会は、その脇で澤田が動き回っている。大津戦では、2トップの一角で中盤に下りてくる相手FW奥原零偉(3年)を徹底的にケア。澤田は「大津は、カウンターが特徴。自分と天笠で連係を取って潰せたところが良かった。相手は、11番(奥原)が必ず中盤に下りてきて、9番(大崎舜=3年)が背後を狙ってくるので、11番をマンマーク気味について、しっかりと任務を遂行できて良かった」と前線での起点作りを阻んだ手応えを語った。相手の縦パスのコースを消す、セカンドボールを拾うといった、かなり地味な作業を繰り返す役で、背番号15番の話をしても、皆が「誰だっけ」と言うが、この男には大活躍のチャンスもある。
 
 青森山田が得意とするセットプレーのひとつ、ロングスローの投げ手が澤田なのだ。青森山田は、3年前には原山海里(東京学芸大)、優勝した2年前には郷家友太(神戸)といったロングスロワーが活躍。澤田にとっては「青森山田と言えば、ロングスロー。試しに一回投げてみたら、結構飛んだ。それで、トレーナーさんに話を聞きながら、柔軟性や体幹の強さを高めてきた。武器はあった方が良いと思っていた。ひとつの武器があるだけで、こんなに良い経験をさせてもらえるということを学んだ」と1年次から自分で考えて磨いてきた武器であり、先発起用の大きな要因ともなっている。
 
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