プレミアを席巻するスアレス。独占インタビューで心情に迫る

カテゴリ:メガクラブ

ジェームズ・ピアース

2014年03月11日

「審判も生身の人間で、ファウルを見逃すことだってある」

長期の出場停止が明け、本拠地アンフィールドでの初戦。2人の子供を伴って入場したのは、ファンへの感謝のしるしだったという。スアレスのその想いに、スタンドは大歓声で応えた。 (C) Getty Images

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 23試合で24ゴールを量産し、リバプールを優勝争いの真っ只中に押し上げている最大の原動力だ。

 今シーズン開幕前の移籍騒動から一転、ジェラード不在の試合でキャプテンマークを託されるまでに信頼を回復し、改めてクラブに忠誠を誓った。

 いまがハッピーだと、そう笑顔で語るルイス・スアレス。

 今シーズンのプレミアリーグを席巻し、リーグMVPが確実視されるウルグアイ代表のストライカーは、ブラジル・ワールドカップでの活躍も期待される、大会の主役候補のひとりだ。

 そんなスアレスの多角的解剖を試みた。地元紙記者による独占インタビューで心情に、サウサンプトンでプレーする吉田麻也の証言からその凄さに迫ってみたい。

 リバプールの地元紙『リバプール・エコー』の記者で、『サッカーダイジェストWeb』の「番記者通信」で健筆を振るうジェームズ・ピアース記者による独占インタビューで、その心の内に迫る。

――◆――◆――

――ルイス、今日は時間を割いてくれてありがとう。ここまで得点ランクとアシストランクの両方でトップに立っている。最高のサッカーができているという実感があるんじゃない?
「そうだね。キャリアベストのシーズンを送れている。点を取るのと、チャンスをクリエイトするのが俺の仕事。それでチームに貢献するその役割を、ここまでこなせているはずだ。ただ、自分ひとりでできるものじゃない。素晴らしいチームメイトに囲まれて、理解ある監督がいるからこそ、俺は俺の仕事に徹するそれができるんだ」

――リバプールファンは毎週君の名前をチャントする。KOP(リバプールファンの呼称)の声援はどれくらい大事? ファンのサポートは好調の要因と言える?
「俺にとってファンはとてつもなく大きな存在で、彼らに助けられている部分は当然ある。知ってのとおり、夏にはいろんな問題があったけど(注:移籍志願をして一時チームを干された開幕前の騒動)、それでもずっと俺を支えつづけてくれた。それはこのハートにしっかり刻み込まれている。サポーターから全幅の信頼を受けていると分かってピッチに立てる。これは選手にとって最大の名誉だし、自信になるよね。だから質問の答はイエス。彼らのおかげで、ベストを出し尽くせている」

――10試合の出場停止処分(詳細は後述)が明けた後のアンフィールド(リバプールの本拠地)での最初の試合が、10月のクリスタル・パレス戦だったね。試合前、産まれたばかりのベンジャミン君と、3歳の愛娘デルフィナちゃんと一緒にピッチに現われた君を迎えたのは、鼓膜が破れるかと思うくらいの大歓声だった。
「最高にスペシャルな日だった。イングランドではピッチに子供を連れてくる光景はあまり見かけないけど、ウルグアイでは当たり前なんだ。ファンに俺のファミリーを見てもらいたくってね。サッカーとそれ以外の普通の自分、つまりリバプールでの生活すべて、公私両面で俺が幸せなのを知ってもらいたかった。個人的に今シーズンのアンフィールドでの初戦だったし、子供たちともその大切な時間をシェアしたかった。正直グッとこみ上げるものがあった。しばらくぶりにアンフィールドで、あのKOPの前でプレーできて、本当にファンタスティックな一日だった」

――今シーズンのルイスは非常に落ち着いているように見える。物議を醸すこともなければ、カードもイエローが4枚だけ。出場停止は一度もない。奥さんのソフィアさんに叱られたのがその理由なの? そう噂されているでしょ。「ピッチでの態度を改めないとスタジアムに試合観戦に行かない」と言われたのは本当の話?
「そうなんだ。だからソフィアは超ハッピーで、試合にも喜んで来てくれているよ!(笑)。レフェリーにもDFにもクールに対応するように努めてる。問題があっても、言い争いに巻き込まれないように注意している。試合に集中してチームに貢献する、そうするのが俺にとってもチームにとっても有益だし、なにより最重要なことだからな。そのためには雑念を振り払って、頭の中をクリアにしておかなくちゃダメ。若い頃は同じチームのベテランのビッグプレーヤーに話を聞いて、それを見習っていた。いまは俺がビッグプレーヤーで、若手に話をする立場になった。ポジティブなことだと捉えているし、模範になるべきだって考えている」

――変貌ぶりを物語るのが、2月のアーセナル戦、敵地エミレーツでのFAカップ5回戦だ。ペナルティーエリア内でルイスはチェンバレンに倒された。明らかなPKを取ってもらえなくても、落ち着いて対応した。主審のハワード・ウェブに楯突かずにね。
「あれは完全にPK。誰の目にも明らかだった。でも、レフェリーは簡単な仕事じゃないし、俺もそれは分かってるつもりさ。審判も生身の人間で、ああいったファウルを見逃すことだって当然ある。これは選手にも言えて、例えばストライカーであれば絶好のチャンスを逸してしまう場合もある。ピッチの上で見る光景と、テレビに映るイメージは時として大きく異なるよね。レフェリーはその場でリプレーも見られないし、難しい仕事だ。あの時は、不運にもファウルの判定は下らなかったけど、仕方がない場合もある」
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