安部裕葵を落胆させたレアルのリアルな強度「苦しすぎて、キツすぎて。相手は涼しそうに…」

カテゴリ:Jリーグ

寺野典子

2018年12月20日

「前半の30分くらいで強度の違いを感じた。コンディションは悪くないと思っていたが…」

鹿島の安部はピッチ上でレアル・マドリーの強度の高さを痛感。肉体的にも大きなレベルの違いを感じたようだ。(C) Getty Images

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 感情的になることのなかった男が泣き崩れそうになっていた。
 
 ゴール裏のサポーターのもとへ挨拶に行ったあと安部裕葵は、レオ・シルバに抱きかかえられるようにして、ロッカーへと歩いている。明らかに泣いているのがスタンドからも分かった。
 
「裕葵の涙を見て、自分もそうだったなと思い出した。子どもみたいに扱われて、その差を痛感すると、自分が今まで日本でやってきたことが間違っていたんじゃないかって」
 
 試合後のミックスゾーンで、内田篤人はそう語り、言葉を詰まらせる。かつての自身の感情を思い出して、涙ぐんだ彼の姿に驚いた。内田は安部の涙にもらい泣きしたわけではない。レアル・マドリー相手に1-3と劣勢になっているにもかかわらず、諦めることを知らず、ボールを追い続ける安部の姿に、チャンピオンズ・リーグでマンUやレアルと戦い、逆サイドまで追いかけ「一生勝てない相手だ」と思い知らされた内田自身が蘇ったのだった。
 
 準々決勝で途中出場し、3点目となる見事なゴールを決めた安部。加入2年目の19歳ながら、鹿島アントラーズにとってなくてはならない選手へと成長した。レアル相手にも果敢なプレーを見せ続けた。
 
「『レアルはこうだ』というイメージを持たずに入ったので。驚きとかはなかった。直線を走る速さは感じたし、向かれるシーンもありましたけど、想像を超えてくるスピードはなかったし、予想はついていました。でも、日本では経験できないもの。今日は負けましたけど、僕はもっとやれると思いました」
 
 いつもよりも遅く、ミックスゾーンに姿を見せた安部は、すでにいつもの冷静な男になっていた。初めての世界トップレベルとの対戦で、受けて当然のショックを見せることもなかった。そんな安部の様子が逆に、彼が味わった屈辱の大きさを感じさせた。わずかでも弱気を見せれば、押しつぶされてしまう。だから、必死に立ち尽くしているように見えたのだ。

「前半の30分ぐらいで強度の違いを感じた。自分のコンディションは悪くないと思っていたけれど、自分の息が上がっているのに気付いた。相手の強度、パススピード、展開の速さ、判断のスピード、全部が速い。そのぶん僕らがたくさん筋肉を使い、たくさん息をしてというプレーになった。前半は見て分かった通り、みんな動けてました。普通にやってるように見えたかもしれないけど、いつもより強度が高かった」
 

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