インテルは12月11日、チャンピオンズ・リーグ（CL）のグループステージ最終節でPSVとホームで１-１で引き分けた。勝点で並ぶトッテナムに直接対決の成績で下回るインテルは、決勝トーナメント進出を逃している。

　突破のためには、トッテナムがバルセロナに勝たないことが最低条件だったインテル。そのためイタリア・メディアは、すでに首位通過を決めているスペイン王者がトッテナム相手に手を抜かないか懸念していた。

　だが、ふたを開けてみれば、バルサが勝点３を許さなかったにもかかわらず、インテルがすでに最下位での敗退が決まっているPSVに本拠地サン・シーロで勝てずに敗退するという結果に。一部のイタリア・メディアは、チャンスを逸したインテルを痛烈に批判している。
 

　とくに批判の的となったのが、軽率なミスから先制を許したクワドォー・アサモア。そして、マウロ・イカルディのゴールで同点に追いついたときも、その時点ではまだバルサがリードしていたからという理由で、積極的に追加点を狙わなかったインテルの姿勢も槍玉に挙げられた。

　イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、「自殺行為」と糾弾。アサモアの「信じられない軽率さ」を批判するとともに、「結果は変わらなかったかもしれないが、勝てる試合を勝つために、同点に追いついた勢いに乗る価値はあったはず」と、２点目をめざすべきだったと叩いている。

　開幕２連勝を飾ったにもかかわらず、その後の４試合で勝点２しか稼げなかったとあり、『Corriere dello Sport』紙の電子版は、試合レポートの中で「後悔でいっぱいのスーツケースとともに大会を去ることになった」と評した。

　また、『Sport Mediaset』は「バルサは裏切らなかったがインテルが裏切った」「考えられない敗退」と酷評。アサモアにとっては「最悪の夜」、インテルにとっては「すべての限界を示し、今後の歩みを危険にしかねない試合だった」とし、今シーズンのこれからにも響くとの見解を示している。

『Gazzetta dello Sport』紙によれば、ルチアーノ・スパレッティ監督は「冷静を保てず、失点後にナーバスになった。もっとバランスが必要だった」と落胆。トッテナム戦の状況を気にすべきでなかったのでは？　との指摘には、「そうかもしれないが、分からないようにすることなどできないだろ」と反論した。

「（他会場の状況を）観客は分かっているし、選手たちはそれを感じるものだ。UEFAからスクリーンに結果を表示するか尋ねられ、私は出してくれと答えた。いずれにしても、たいして違いはない。ピッチにいる選手たちには耳がある。バカじゃないんだ…」

　だが、結果論とはいえ、インテルは16強への切符を逃した。スパレッティ監督は「勝点は稼いできたんだ。トッテナムと同じだけのポイントを…」と悔しさを滲ませている。