相手のストロングポイントを消す良い守備が攻撃のリズムを生み出す
ボールポゼッション率は55%。シュートは16本を数えた。
MF中村敬斗のパスからFW渡辺千真がダイレクトで左SB藤春広輝につないだシーン、MF遠藤保仁のスルーパスに藤春が反応して折り返し、FWファン・ウィジョがスライディングシュートで合わせたシーン……。押し込まれる時間帯もあったが長短織り交ぜたパスや個々の高い技術による打開、相手にボールの取りどころを限定させない試合運びは今季最も“らしく”、楽しい90分間だった。
宮本恒靖監督が就任してちょうど4か月。目指していたものが形になりつつある。指揮官は常々「攻撃だけとか、守備だけとかの練習はしていない」「相手のことも分析して、自分たちの強みも出していく」と強調していた(もちろん頭では理解しているのだけど、特に我々メディアは“分かりやすい”答えを求めがちになってしまう)。その通りで、攻撃と守備は連動している。実は長崎戦も相手のストロングポイントを消す良い守備が、攻撃のリズムを生み出していた。
3-4-2-1システムを主とする長崎オフェンス陣の特徴は、運動量豊富なMF翁長聖とMF飯尾竜太朗の両翼、そして187㌢の重戦車FWファンマと抜群の身体能力を持つFW鈴木武蔵の推進力。攻撃時には前線の3人と両翼の計5枚が、良い距離感でピッチ全体に配置される格好となっていた。対してG大阪は4バック。どうしても1枚足りない状況になるが、その穴は中村かMF小野瀬康介のどちらかが下がることで対処していた。J1初得点を決めた中村の失点につながるゴール前での空振りはいただけないが、それは守備への意識が高かったからこそとも言える。
MF中村敬斗のパスからFW渡辺千真がダイレクトで左SB藤春広輝につないだシーン、MF遠藤保仁のスルーパスに藤春が反応して折り返し、FWファン・ウィジョがスライディングシュートで合わせたシーン……。押し込まれる時間帯もあったが長短織り交ぜたパスや個々の高い技術による打開、相手にボールの取りどころを限定させない試合運びは今季最も“らしく”、楽しい90分間だった。
宮本恒靖監督が就任してちょうど4か月。目指していたものが形になりつつある。指揮官は常々「攻撃だけとか、守備だけとかの練習はしていない」「相手のことも分析して、自分たちの強みも出していく」と強調していた(もちろん頭では理解しているのだけど、特に我々メディアは“分かりやすい”答えを求めがちになってしまう)。その通りで、攻撃と守備は連動している。実は長崎戦も相手のストロングポイントを消す良い守備が、攻撃のリズムを生み出していた。
3-4-2-1システムを主とする長崎オフェンス陣の特徴は、運動量豊富なMF翁長聖とMF飯尾竜太朗の両翼、そして187㌢の重戦車FWファンマと抜群の身体能力を持つFW鈴木武蔵の推進力。攻撃時には前線の3人と両翼の計5枚が、良い距離感でピッチ全体に配置される格好となっていた。対してG大阪は4バック。どうしても1枚足りない状況になるが、その穴は中村かMF小野瀬康介のどちらかが下がることで対処していた。J1初得点を決めた中村の失点につながるゴール前での空振りはいただけないが、それは守備への意識が高かったからこそとも言える。
またファンマ、鈴木武蔵に関してはDF三浦弦太とDFファビオの両センターバックがマークの受け渡しをしながら厳しくチェックをし続けた。そこに絡むのが遠藤と今野泰幸のダブルボランチ。2人のどちらかがボールを持てば、センターバックとボランチが挟みにいく場面が目立った。その結果、多くの時間帯で数的優位を作り、ピンチの芽を未然に刈り取っていた。
「失点もした。追加点もなかなか取れなかった。課題もあった。そこを修正して最終戦も勝利して、シッカリ(今季を)終えたい」
どんな相手でも分析と対策は怠らない。その上でクラブポリシーである攻撃的なスタイルを打ち出す。そんな指揮官の描く理想は、まだまだ高いところにある。
取材・文●飯間 健
「失点もした。追加点もなかなか取れなかった。課題もあった。そこを修正して最終戦も勝利して、シッカリ(今季を)終えたい」
どんな相手でも分析と対策は怠らない。その上でクラブポリシーである攻撃的なスタイルを打ち出す。そんな指揮官の描く理想は、まだまだ高いところにある。
取材・文●飯間 健