クリスチアーノ・ロナウドがレアル・マドリーからユベントスに移籍し、バルセロナもリオネル・メッシを右腕骨折の怪我で欠く。近年のクラシコでメインキャストを務めてきた両者が揃って不在となるのは、実に2007年以来だ。

　スペイン各紙はこぞってスタメン予想をしているが、エルネスト・バルベルデ監督率いるバルサは、チャンピオンズ・リーグ（CL）のインテル戦で大活躍を見せたアルトゥールを中盤に置き、司令塔の役割を担わせるだろうというのが大方の見方だ。

　前線はおそらく中央にルイス・スアレス、左にコウチーニョが入るが、唯一の疑問はだれをメッシの代役に据えるか。インテル戦ではラフィーニャを抜擢し、後半の途中からはそれまで右SBを務めていたセルジ・ロベルトの位置を上げて、その穴をカバーした。

　多くのスポーツ紙は、インテル戦でゴールも決めてみせたラフィーニャにふたたびチャンスを与えるだろうと予想するが、その試合でベンチを温めたウスマンヌ・デンベレを起用する可能性もゼロではない。
 

　一方のマドリーは、GKからして定まっていない。『MARCA』紙が実施したオンラインアンケートでも、ティボー・クルトワに投票したのは全体の52％で、ケイラー・ナバスが48％。ファンの意見も完全に二分している。

　CLのプルゼニ戦の終盤に痛めた怪我の影響が心配されたマルセロは、無事にプレーできる見込みで、センターにはセルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランヌが並ぶと見られている。

　注目されるのは右SB。本来なら攻守のバランスに優れたダニエル・カルバハルが担うポジションだが、現在はふくらはぎの負傷で離脱中だ。

　攻撃力を重視するならアルバロ・オドリオソラ、守備を重視する慎重な戦いを選ぶならナチョを起用することになるが、前者は守備力低下の要因と言われ、地元紙から戦犯扱いされているだけに、後者を予想する声が多いようだ。プルゼニ戦でこのポジションを務めたルーカス・バスケスも、「説得力に欠けた」という意見が大半で、クラシコのスタメンに抜擢される可能性は低そうだ。

　中盤のカゼミーロ、ルカ・モドリッチ、トニ・クロース、そして前線のカリム・ベンゼマ、ガレス・ベイルは確実だが、残り１枠を埋めるのはイスコになると言われている。

　イスコは５日前のプルゼニ戦で虫垂炎から復帰したばかりと、コンディション面では小さくない不安を残すものの、自身のクビがかかった試合で、ロペテギがスペインU-19代表監督時代からの秘蔵っ子であるイスコを外し、マルコ・アセンシオやマリアーノ・ディアスを起用するとは考えにくというのがその理由のようだ。

　28日のバルセロナの天気予報は雨。VAR導入後の最初のクラシコという点でも注目される一戦は、日本時間の24時15分キックオフとなる。

文●山本美智子（フリーランス）


★今シーズンのここまでの戦績
（H＝ホーム、A＝アウェー）
【バルセロナ】
リーガ１節　〇３－０　アラベス（H）
リーガ２節　〇１－０　バジャドリー（A）
リーガ３節　〇８－２　ウエスカ（H）
リーガ４節　〇２－１　レアル・ソシエダ（A）
CL１節　　  〇４－０　PSV（H）
リーガ５節　△２－２　ジローナ（H）
リーガ６節　×１－２　レガネス（A）
リーガ７節　△１－１　A・ビルバオ（H）
CL２節　　  〇４－２　トッテナム（A）
リーガ８節　△１－１　バレンシア（A）
リーガ９節　〇４－２　セビージャ（H）
CL３節　　  〇２－０　インテル（H）

【レアル・マドリー】
リーガ１節　〇２－０　ヘタフェ（H）
リーガ２節　〇４－１　ジローナ（A）
リーガ３節　〇４－１　レガネス（H）
リーガ４節　△１－１　A・ビルバオ（A）
CL１節　　  〇３－０　ローマ（H）
リーガ５節　〇１－０　エスパニョール（H）
リーガ６節　×０－３　セビージャ（A）
リーガ７節　△０－０　アトレティコ（H）
CL２節　　  ×０－１　CSKAモスクワ（A）
リーガ８節　×０－１　アラベス（A）
リーガ９節　×１－２　レバンテ（H）
CL３節　　  〇２－１　プルゼニ（H）