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【現地発】フロントの一人が明かしたマドリーの内情「ロッカールームには会長に対する不満が渦巻いている」

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年10月27日

混乱の中で就任したロペテギは右往左往するだけ。

ペレス会長(右)による「C・ロナウドへの仕打ち」と「ネイマールへの執着」が、選手の反感を買うことに。ロペテギ(左)にも混乱に陥ったチームを落ち着かせる力はなかった。 (C)Getty Images

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 ジュレン・ロペテギの解任が時間の問題になっているレアル・マドリー。しかし、フロレンティーノ・ペレス政権下で最大ともいえるクライシスに陥っている彼らにとっては、監督の去就問題すらも副次的な事案に過ぎない。

 今夏の補強の失敗、主力の高齢化に加え、ロペテギのチグハグな采配が重なり、チームは大きく低迷。このまま窮余の一策を講じることができなければ、さらに奈落の底へと突き落とされる危険性をはらんでいる。

 フロントのひとりは、「幹部たちもキャプテンたちも公では否定するだろうけど」と前置きしたうえで、チームの内情をこう明かす。「問題の根源は、ペレス会長が打ち出す補強戦略に対する不満。それが夏からロッカールーム内に充満しているところにある」

 今夏その象徴的な出来事が2つあった。クリスチアーノ・ロナウドの放出と、その後釜としてのネイマールの獲得への執着だ。

 クリスチアーノ・ロナウドの退団は、表向きは「みずからの希望」とされている。

 しかし実際のところは、7か月もの間、契約延長の条件を出し渋るクラブに対してしびれを切らしたC・ロナウドが、手取り年俸3000万ユーロ(約39億円)という好条件のオファーを提示したユベントスを選んだのが事の真相だ。

 マドリーは最後の最後に、ユベントスの提示額に近い手取り2800万ユーロ(約36億4000万円)のオファーを出したが、これはあくまで形式的なものに過ぎなかった。しかもそうしたマドリーのやり方に憤懣やるかたないC・ロナウドは、いまなお頻繁に元チームメイトに電話をかけては不平不満を訴えているという。
 
 さらに輪をかけて選手たちの感情を逆なでさせたのが、ペレス会長のネイマール獲得への尋常ではない執着心だ。

 入団交渉が一向に進展しない状況を一変させるべく、最後の一手としてマドリーがネイマールに提示した手取り年俸は、なんと5000万ユーロ(約65億円)。しかも、そのオファー内容がブラジル代表のチームメイトのマルセロとカゼミーロによって他のメンバーにも漏れ伝わってしまったというのだ。

 チーム最大の功労者であるC・ロナウドに対する仕打ちと、その後釜候補に過ぎないネイマールを迎えるための超VIP待遇との間に横たわる、歴然たる格差を知るに至って、選手たちの不信感は急激に高まった。

 とりわけ、CL制覇を3回、あるいは4回経験しているマルセロ、トニ・クロース、ケイラー・ナバス、ダニエル・カルバハル、カゼミーロ、ルカ・モドリッチといった重鎮選手たちは、次に肩を叩かれるのは自分ではないかと疑心暗鬼に陥り始めた。

 そのような状況下で監督に就任したロペテギは、右往左往するばかりだった。とくに問題視されたのが、後半開始早々にマルセロに交代を命じたり(2節のジローナ戦)、ケイラー・ナバスから早々に守護神の座を剥奪したり(3節のレガネス戦)、人一倍敏感で繊細なクロースを先発から外したり(9節のレバンテ戦)と、功労者を蔑ろに扱う采配だ。

 結果的に選手たちの間では、チームの大刷新を目論む「ペレス会長の差し金で動く男」と陰口を叩かれ、フロント幹部もまた、そうした指揮官を「使えないヤツ」と揶揄した。ペレス会長は、もちろんロッカールーム内のそうした不穏な空気を把握しており、これ以上ロペテギを続投させても状況を悪化させるだけだという結論に達したようである。

 10月23日、チャンピオンズ・リーグでチェコ王者のプルゼニ相手に辛うじて勝利し(2-1)、セビージャ戦を皮切りに続いていた公式戦白星なしを5試合(1分け4敗)で食い止めたマドリーだが、前回この不名誉な記録を樹立したのが2004年だった。ちなみにその時のクライシスは、のちに銀河系軍団を解体させ、2年後にペレス会長を辞任へと追い込む引き金となっている。


文●ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙/レアル・マドリー番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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