自信ともどかしさの狭間で――南野拓実がザルツブルクで臨む次なる挑戦 【現地コラム】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2018年09月28日

「CLでどこまで通用するのか知りたかった…」

出場した試合では、相手守備陣に脅威を与え続けている南野。26日に行なわれた国内カップ戦でも先制点を挙げるなど、大活躍を見せた。ここまでは“国内要員”となっているが、ELでも期待できるはずだ。 写真はザルツブルク公式ツイッターより

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 レッドブル・ザルツブルクはオーストリア・ブンデスリーガでは5連覇を果たしている、絶対的な存在だ。
 
 だが、チャンピオンズ・リーグ(CL)出場にだけは、どうしても手が届かないでいた。欧州の猛者が集う舞台を長いあいだ、夢見ていた。今シーズンこそ、悲願の本戦出場を! だが、またしてもその扉は目の前で閉ざされてしまう……。
 
 CLプレーオフの第2レグ、セルビアのレッドスター相手に2-0とリードを奪い、60分過ぎまで完璧にゲームをコントロールしていた。だが、そこから連続失点を喫すると、あと1点が取れず、アウェーゴール・ルールで敗退を喫してしまったのだ(第1レグは0-0)。
 
 試合後、力なくグラウンドに座り込んだザルツブルクの選手たち。そんな彼ら一人ひとりに、南野拓実は歩み寄り、手を差し伸べていた。
 
 1点が必要な展開で、一度は呼び出されるも、監督・コーチの考えが折り合ず、結局、最後まで出場機会は訪れなかった。悔しくないはずはない。でも、そうした個の想いはぐっと飲みこんだ。
 
「それしか、やることできなかったから。悔しい気持ちはあったんですけど、ベンチで自分がうなだれていてもしょうがない。ああするしかなかったのかなと」
 
 試合後、南野はその時の心境を明かしてくれた。彼もまた、CLに懸ける想いは大きかった。
 
「今日も、僕が入ったらどうプレーしようかと考えながら、見ていました。ヨーロッパリーグ(EL)に出場するレベルのチームには、僕たちのサッカーが通用するというのは、昨シーズン感じたし、今日も手応えはありました。だからこそ、CLというレベルが高いところで、どこまで通用するのかというのを知りたかった。そこに行けないのは、すごく残念です」
 
 大きな失望からの再出発。そして視線は、常に先へと向けられている。今シーズンより、オーストリアのリーグ優勝チームは来シーズンのCLグループリーグにストレートで出場できるだけに、モチベーションは非常に高い。落ち込んでいる暇はない。
 
 ザルツブルクは前節、ホームにラピド・ウィーンを迎えた一戦を2-1でモノにし、開幕8連勝を果たしている。
 
 この試合で見事な先制ゴールを決めたのが、南野だった。
 
 36分、右サイドからの攻撃で起点を作ると、アマドゥ・ハイダラがペナルティーエリアの手前にいる南野へグラウンダーのパス。ゴールに背を向けた状態だった南野は、ワントラップですぐ真横にボールを置いて相手DFのマークを外すと、流れるような素早い動きから右足シュートに持ち込み、これが見事にゴール左隅に決まった。
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