インザーギ監督の志向するスタイルは本田に合っている。
ミランは7月22日から、約2週間のアメリカ合宿をスタートさせる。ブラジル・ワールドカップを終えて休養を取っていた本田圭佑がチームに合流するのが、このアメリカ合宿からだ。
1月に移籍した昨シーズンのミランでは「10番」の期待に応える活躍ができず、ワールドカップでも精彩を欠いた。見せ場と言えば、コートジボワール戦のゴールくらいのものだろう。本田にとって今シーズンは、まさに勝負の1年となる。プライドを取り戻し、欧州の舞台で真の成功をつかむことができるのか。そのためには、まず乗り越えなければならない壁がある。新監督の下でまた様変わりする、チーム戦術への対応がそれだ。
このオフ、ミランの体制は大きく変わった。途中就任からある程度のところまでチームを立て直しながら、選手やスタッフの多くと折り合いが悪かったクラレンス・セードルフ監督をクラブは解任。その後任として、プリマベーラ(U-19)を指揮していたフィリッポ・インザーギの内部昇格を決めた。
現役時代のインザーギは、アタランタ、パルマ、ユベントス、ミランでプレーし、ゴールを量産し続けたストライカーだ。感覚でシュートをねじ込んでいたような当時のプレースタイルからは、指導者としての姿はイメージしにくい。だが、監督としての評価は意外にも悪くない。
少なくとも、現役を辞めさせられ、いきなりベンチに座らされたセードルフと違い、インザーギは2年の指導者経験を持ち、ユースの主要大会のひとつ、ヴィアレッジョ国際トーナメントで優勝を果たすなど実績も残している。
7月に就任したインザーギ新監督が、ここまで練習でトライしているのは、ずばりポゼッションをベースとした攻撃サッカーだ。採用するのは、自身が「好きなシステム」と語る4-3-3。トップ下を置く4-3-1-2の併用も明言しているが、チームがエースとして期待するステファン・エル・シャーラウィの能力を最大限に活かす意味でも、4-3-3を基本にシーズンに突入するはずだ。エル・シャーラウィ自身、「4-3-3の左ウイングが自分には一番合っている」と語る。
4-2-3-1を使っていたセードルフ監督時代と違うのは、システムだけではない。詰まるところ前線の個人能力頼みだった前任者に対し、インザーギは流麗なパスサッカーを実現するためのチーム戦術を、より綿密に練り上げようとしている。
チームがボールを保持している時、中盤の底のアンカーは最終ラインに入り、両サイドバックが高く上がって3バックのようなポジションを取る。ジョゼップ・グアルディオラ監督時代のバルセロナや、昨シーズンのローマのようなスタイルを、インザーギは志向する。
そして後方から丁寧にビルドアップを図り、サイドを中心に細かくパスを交換しながら、チャンスと見れば大胆にサイドチェンジも狙わせる。もちろん、プレスへの参加は全選手に要求されるが、昨シーズンのようなカウンターサッカーではない。スタイルだけを取ってみれば、本田には合っているとも言える。
1月に移籍した昨シーズンのミランでは「10番」の期待に応える活躍ができず、ワールドカップでも精彩を欠いた。見せ場と言えば、コートジボワール戦のゴールくらいのものだろう。本田にとって今シーズンは、まさに勝負の1年となる。プライドを取り戻し、欧州の舞台で真の成功をつかむことができるのか。そのためには、まず乗り越えなければならない壁がある。新監督の下でまた様変わりする、チーム戦術への対応がそれだ。
このオフ、ミランの体制は大きく変わった。途中就任からある程度のところまでチームを立て直しながら、選手やスタッフの多くと折り合いが悪かったクラレンス・セードルフ監督をクラブは解任。その後任として、プリマベーラ(U-19)を指揮していたフィリッポ・インザーギの内部昇格を決めた。
現役時代のインザーギは、アタランタ、パルマ、ユベントス、ミランでプレーし、ゴールを量産し続けたストライカーだ。感覚でシュートをねじ込んでいたような当時のプレースタイルからは、指導者としての姿はイメージしにくい。だが、監督としての評価は意外にも悪くない。
少なくとも、現役を辞めさせられ、いきなりベンチに座らされたセードルフと違い、インザーギは2年の指導者経験を持ち、ユースの主要大会のひとつ、ヴィアレッジョ国際トーナメントで優勝を果たすなど実績も残している。
7月に就任したインザーギ新監督が、ここまで練習でトライしているのは、ずばりポゼッションをベースとした攻撃サッカーだ。採用するのは、自身が「好きなシステム」と語る4-3-3。トップ下を置く4-3-1-2の併用も明言しているが、チームがエースとして期待するステファン・エル・シャーラウィの能力を最大限に活かす意味でも、4-3-3を基本にシーズンに突入するはずだ。エル・シャーラウィ自身、「4-3-3の左ウイングが自分には一番合っている」と語る。
4-2-3-1を使っていたセードルフ監督時代と違うのは、システムだけではない。詰まるところ前線の個人能力頼みだった前任者に対し、インザーギは流麗なパスサッカーを実現するためのチーム戦術を、より綿密に練り上げようとしている。
チームがボールを保持している時、中盤の底のアンカーは最終ラインに入り、両サイドバックが高く上がって3バックのようなポジションを取る。ジョゼップ・グアルディオラ監督時代のバルセロナや、昨シーズンのローマのようなスタイルを、インザーギは志向する。
そして後方から丁寧にビルドアップを図り、サイドを中心に細かくパスを交換しながら、チャンスと見れば大胆にサイドチェンジも狙わせる。もちろん、プレスへの参加は全選手に要求されるが、昨シーズンのようなカウンターサッカーではない。スタイルだけを取ってみれば、本田には合っているとも言える。